閉校を控えた八潮高校で校舎一般開放、OBらが53年の歴史に別れを告げる
埼玉県立八潮高校は、県立高校の再編に伴い、今年度末で閉校することを受け、3月15日に校舎の一般開放を実施しました。このイベントには、卒業生や地域の市民ら約2000人が訪れ、1973年の開校以来、53年間にわたって多くの学びと成長を育んできた学びやに、心温まる別れを告げました。
教職員や卒業生が企画、約1年半前から準備を進めてきた思い出の場
閉校を前に、再会の機会や思い出を語り合う場を設けようと、同校の教職員や卒業生らが中心となって企画し、約1年半前から入念な準備を重ねてきました。各教室には、歴代の卒業アルバムや修学旅行のしおり、制服のレプリカなどが展示され、訪れた人々は「当時は足が細かったな」や「昔の制服もかっこいいね」などと声を上げながら、懐かしい高校時代の記憶をたどりました。
また、卒業した年代別に設けられた談話室では、再会を果たした同級生らが互いを旧姓やあだ名で呼び合い、「ここでよく先生に叱られた」などと、当時のエピソードに花を咲かせていました。来校者には、学習机の天板を再利用した校舎型の木製スマホスタンドが記念品として配られ、閉校の寂しさの中にも、温かい思い出が形として残されました。
卒業生たちの感慨深い声 「ずっと自慢の母校」と語る若者も
同級生3人で訪れた八潮市の農業、榎本勝美さん(63歳)は、「教室が少し狭く思えて、時の流れを実感した。旧友と教室で話すと、まるで昔に戻ったような気分になれた」と、感慨深げに語りました。一方、草加市の大学生、名倉陸さん(21歳)は、「閉校は寂しいが、心の中ではずっと自慢の母校だ」と、誇りを持って母校への愛着を述べました。
八潮高校は、1973年の開校以来、卒業生は1万1885人を数え、地域に根ざした教育を提供してきました。閉校後は、新年度に八潮南高校と統合され、会計などに特化した学科を備える「県立八潮フロンティア高校」が開校する予定です。また、八潮高校の校舎は改築を経て、県立特別支援学校として整備される見込みで、新たな役割を担うことになります。
この一般開放イベントは、単なる閉校の儀式ではなく、多くの人々が集い、共有した思い出を通じて、八潮高校の53年の歴史を振り返る貴重な機会となりました。卒業生や市民の温かい声が響く中、同校の遺産は、今後も地域の中で生き続けることでしょう。



