世田谷区が不登校中学生向け「多様化学校」を開校 北沢学園中学校が4月スタート
不登校の中学生が増加する中、東京都世田谷区は来月4月、生徒の実態に合わせて特別な教育課程を編成できる「学びの多様化学校」として「北沢学園中学校」を開校する。独立した校舎での多様化学校は、都内の八王子市立高尾山学園に次いで2校目で、23区では初めての取り組みとなる。
旧北沢小学校校舎を改修 定員は全校で60人
同校は2018年に閉校した北沢小学校の校舎を改修して使用する。定員は各学年20人で、全校で計60人。対象は年に30日以上、不登校の生徒や登校が難しい区内の生徒で、4月入学と9月入学の制度を設けている。授業開始は4月13日で、2週間の体験入学期間を経た1年生から3年生までの三十数人が学ぶことになる。
区教育相談課によると、区立中学校では不登校の生徒が2018年度は515人だったが、2022年度には815人に増加。小学校でも同様の増加傾向が見られるという。こうした状況を受け、新たな学びの場の提供が急務となっていた。
時間にゆとりを持たせたカリキュラム編成
北沢学園中学校では、登校時間を午前9時、授業開始を同9時45分からとし、時間にゆとりを持たせた。総授業時間も約2割削減し、午前中は教科の学習に集中。午後は多様な学びのための教科として、自らの将来をイメージできる力を身につける「キャリアデザイン科」と、音楽や美術などで自己表現を学ぶ「マイ・デザイン科」を新設した。
さらに、服装や体操着は自由とし、リラックスルームを設けたり、休み時間を長めの15分としたりするなど、生徒が余裕を持って授業に臨める環境を整備。図書室は地域の人も利用可能で、地域交流も積極的に進めていく方針だ。
「ほっとスクール」も併設 児童生徒の居場所を提供
北沢学園中学校には、心理的な理由などで登校できない児童生徒の居場所となる「ほっとスクール」(教育支援センター)も開設される。これにより、不登校の生徒だけでなく、様々な事情を抱える子どもたちに対しても、安心して過ごせる空間を提供する。
区教育相談課の担当者は「この学校は、子どもにとって学校生活をリスタートさせる場です。多様な生徒たちが自発的に学べる環境を整えていきたい」と語り、新たな教育の枠組みへの期待を込めた。
世田谷区のこの取り組みは、不登校問題に対する自治体の先進的な対応として注目を集めており、今後の教育現場の多様化に大きな影響を与える可能性がある。



