スーパーボランティア尾畠春夫さん、86歳で夜間中学に入学 学びへの長年の夢が実現
全国の被災地に駆け付け、2018年には山口県で行方不明男児を救出したことで知られる「スーパーボランティア」尾畠春夫さん(86)が、4月21日に大分県で初めて開設された夜間中学、県立学びケ丘中学校に入学しました。子どもの頃、農作業のため十分な教育を受けられなかった尾畠さんにとって、この日は長年抱き続けた学びへの願いがついに叶う瞬間となりました。
幼少期の苦労と学びへの強い憧れ
尾畠さんは大分県安岐町(現在の国東市)で、7人きょうだいの上から4番目として生まれました。小学4年生で母を亡くし、小学5年生からは農家に住み込みで働き始めました。農作業に明け暮れる日々の中で、中学卒業までに学校に通えたのはわずか40日ほどでした。
「なんで自分だけ家を追い出されたんかな」という思いを抱えながらも、天命だと受け止めようとする一方で、「学びたい」という気持ちは年々強まっていったといいます。この学びへの渇望は、その後も尾畠さんの人生を支える原動力となり続けました。
仕事を通じて高まった学習意欲
中学卒業後、大分県別府市の鮮魚店で働き始めてからも、尾畠さんの学習意欲は衰えることはありませんでした。仕事上、足し算や引き算ができないと業務に支障をきたすため、「頭の隅っこに『勉強したい』という思いがずっと消えなかった」と振り返ります。
現在も、地元の新聞を1時間以上かけて読むことが日課となっており、分からない漢字があれば辞書で調べて丁寧に書き写す習慣を続けています。このような日常的な努力が、尾畠さんの知識と教養を深める礎となっています。
念願の夜間中学入学と今後の展望
大分県に夜間中学が設立されることを知った時、尾畠さんは「うれしかった」と語り、すぐに入学を決意しました。入学式を終えた尾畠さんは、「夜間中学で学べることは最高の幸せ。楽しみ」と笑顔で話し、新たな学校生活への期待を胸に高鳴らせています。
この入学は、単に個人の夢の実現というだけでなく、生涯学習の重要性や、年齢を問わず学び続けることの意義を社会に示す象徴的な出来事となりました。尾畠さんの挑戦は、多くの人々に勇気と希望を与えるものとして注目を集めています。



