富山工業高生2人が電験3種合格 女子初の快挙 浅野教諭の独自補講が実る
富山工業高生2人が電験3種合格 女子初の快挙 (14.02.2026)

富山工業高校の2人が難関国家資格「電験3種」に現役合格

県立富山工業高校(富山市五福)の電気工学科3年・水本幸汰さん(18)と電子機械工学科3年・真田芹香さん(18)が、難関国家資格「第3種電気主任技術者試験(電験3種)」に見事合格を果たしました。同校において現役生徒が2人同時に合格するのは過去50年間で初めての快挙であり、特に女子生徒の合格はこれまで例がなく、画期的な成果となりました。

合格率12.9%の難関試験

電験3種は、工場やビルなどの大規模施設に設置された変電設備をはじめとする事業用電気工作物(電圧5万ボルト未満)の保守・監督業務に必要不可欠な国家資格です。身近な電圧の例を挙げると、一般家庭のコンセントが100ボルト、新幹線の架線でも2万5000ボルトであり、同校の浅野淳一教諭(64)によれば、世の中にある電気工作物の約7割がこの資格で対応可能だといいます。

試験は理論、電力、機械、法規の4科目から構成され、年間2回実施されます。一定期間内に全科目に合格することで資格が取得できる仕組みで、電気系資格の中でも特に難易度が高く、2025年度上期の合格率はわずか12.9%に留まっています。水本さんと真田さんは昨年8月末に行われた2025年度上期試験までに全科目合格を達成しました。

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独学から教諭の補講へ

元生徒会長の水本さんは「自分にも難関資格が取れるのか」という疑問を抱きながら、1年生の冬から勉強を開始。一方、学科が異なる真田さんは電気系に強い興味を持ち、2年生の夏から本格的に学習に取り組み始めました。

当初2人は参考書やインターネット上の無料動画を活用し、独学で知識習得に励みました。しかし、授業内容をはるかに超える高度なレベルに直面し、単なる暗記だけでは全く歯が立たず、大きな苦戦を強いられました。

浅野教諭の手弁当補講が突破口に

電機メーカーで発電所の機械制御などに携わり、豊富な実務経験を積んで教員に転身した浅野淳一教諭は、かねてから「公式を暗記して資格を取得しても、実際の現場では役に立たない。即戦力として活躍できる人材を育てたい」という強い思いを抱いていました。

浅野教諭は教え子たちを現役合格へ導くため、2024年夏から手弁当で独自の補講を開始。「なぜこの答えが導き出せるのか」という仕組みの理解に重点を置き、長期休暇中には週2~3回、午前9時から午後4時まで、学期中は週2回、放課後に2時間にわたって熱心な指導を続けました。

補講を受講してからは、2人は1科目も不合格を出すことなく順調に合格を重ね、水本さんは「途端に理屈が理解できるようになり、頭の中が整理されました。浅野先生がいなければ合格はなかったでしょう」と振り返っています。

教師人生の集大成として

2人は卒業後、一般財団法人「北陸電気保安協会」に就職し、電気工作物の保守管理業務に従事する予定です。真田さんは「資格はあくまでも入り口に過ぎず、これからも日々勉強を続けなければならないという姿勢を学びました。努力を続けていきます」と誓いを新たにしました。

浅野教諭は今春、32年間にわたる教師人生に幕を下ろします。これまで約2000人の教え子を送り出してきましたが、電験3種に現役合格した生徒は20人に満たないといいます。「2人とも真面目に勉強と向き合い、よく頑張ってくれました。心から称えたいと思います」と語り、「電気系の仕事は『このくらいでいいだろう』という考えが大惨事につながります。正しいことを正しい手法で手を抜かずにやり続け、日本のインフラを支えてほしい」と温かいエールを送りました。

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