奈良県で部活動改革が本格化 休日部活廃止、平日も地域クラブ移行へ 市が指導員160人採用
奈良で部活改革 休日廃止、平日も地域クラブ移行 指導員160人採用 (04.04.2026)

奈良県で部活動の地域移行が本格始動 休日部活廃止、平日も段階的に移行へ

全国の公立中学校において、4月から休日の部活動運営を地域のスポーツクラブや文化芸術団体に移行する「地域展開」がスタートした。国は2026年度からの6年間を「改革実行期間」と位置づけ、この期間中に全ての部活動で休日の地域展開実現を目指している。奈良県では4月から教員が指導する休日の部活動を廃止する方針だが、県内自治体の中には平日の地域展開も先行して推進する動きが広がっている。

奈良市が指導員160人を採用 平日・休日ともに外部指導体制に

奈良市では4月から、市立中学校22校に存在する約240の部活動を維持しながら、平日と休日の両方で外部人材が指導を担当する新体制へ移行する。活動時間は平日が最大4日で各日2時間程度、休日は土曜日または日曜日のいずれかで3時間程度と設定され、基本的に学校を活動場所として利用する。

市は4月、指導員として会計年度任用職員約160人を採用。市教育委員会のアンケートで引き続き指導を希望すると回答した教員約70人も加わる予定だ。さらに「過渡期の一時的な措置」として、協力意向を示した市職員約10人が市の業務として指導に携わる。

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仲川げん市長は3月27日の定例記者会見で、市職員の参加について「キャリアの可能性が広がるため職場としても応援したいが、持続可能性は乏しい」と述べ、最終的には地域人材への完全移行を目指す考えを示した。

地域展開事務局を市が直接運営 課題解決へ推進室を新設

指導員への研修会や生徒たちとのマッチングなどを担当する地域展開の事務局は、市が直接運営する。当初は民間団体への委託を検討していたが、昨年の市議会では「完全な地域展開は拙速だ」との懸念が表明され、補正予算案に計上した関連予算が認められなかった経緯がある。

市は4月から学校教育課と文化振興課、スポーツ振興課の各課に「部活地域展開推進室」を新設。市職員や教員経験がある会計年度任用職員が地域展開の運営支援に当たる。

学校区を越えた地域クラブ活動への参加環境整備や、外部指導者の学校出入りにおける警備面など、解決すべき課題は依然として残されている。仲川市長は「多少のつまずきはあるかもしれないが、知見を積み上げてアップデートしていきたい」と意気込みを語った。

大和高田市と天理市でも一体的な地域展開を推進

大和高田市では4月から市内3中学校の部活動を廃止し、校区に関係なく参加できる地域クラブを開始。市教委が管理・運営する「直営型」に加え、市が認定・登録した団体が活動する地域クラブも設けられた。サッカーチーム「ディアブロッサ高田FC」のコーチらが指導するサッカークラブがその一例だ。大会やコンクールへの参加は原則として地域クラブとして出場するとしている。

天理市では市教委を主体とする「天理市地域クラブ」が発足。従来の部活動における実技・安全指導を地域指導員が担当し、活動計画の作成などの運営事務は市教委の事務局が行う。今後3年程度をかけて段階的に地域指導員が担う職務範囲を拡大していく計画だ。

3月27日に同市役所で実施された指導員研修会では、約20人が大雨警報発令時の対応や緊急時の連絡体制などを学んだ。「生徒を食事に誘わない」「活動の様子をSNSに掲載しない」といった禁止される不適切行為についても説明があり、活動を支援する事務局担当者は「令和の指導を目指して」と呼びかけた。

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県内9市は休日のみ移行 平日展開も条件次第で順次推進

大和郡山市など他の9市では、県の方針に合わせて休日のみ地域クラブへの移行を実施。平日については従来の部活動形態を維持するが、「年度内に条件が整えば一部で平日の地域展開も順次進める」と表明する自治体も存在する。

この部活動改革は教員の負担軽減と地域社会との連携強化を両立させる試みとして注目されており、奈良県内での取り組みが全国的なモデルケースとなる可能性も秘めている。