群馬・JR吾妻線で下校送迎バス実証実験 2026年度に運行開始へ
群馬県のJR吾妻線・長野原草津口-大前間において、高校生らの下校時間帯に駅から自宅方面への送迎バスを運行する実証実験が、2026年度に実施されることが決定した。沿線地域交通検討会議の第5回会合が17日に嬬恋村で開かれ、この計画が正式に承認された。
新年度の実証実験計画
新年度の実証実験では、2026年5月から7月にかけて、無料送迎バスを運行する予定だ。具体的には、長野原草津口駅を発車し北軽井沢方面に向かう路線が4本、万座・鹿沢口駅を発車して田代地区方面に向かう路線が5本設定される。これらのバスは、高校生の下校時間帯に合わせて運行され、一定の送迎頻度を確保することで、利用状況や保護者の負担変化を詳細に検証する。
背景と過去の実証実験結果
吾妻線の同区間では、人口減少と利用者数の低迷が長年続いており、路線の存続が課題となっている。利用者の約8割は通学利用の高校生や学生で占められており、彼らの利便性向上が路線の持続可能性を左右する鍵となっている。
過去には、2023年9月から12月にかけて「新幹線通学」の実証実験が実施された。この実験では、生徒を軽井沢駅まで車で送迎し、高崎駅まで新幹線を利用して通う仕組みが検証された。参加した生徒の6割が通学時間の短縮を実感し、保護者の送迎時間も平均19分短縮された。学生と保護者の満足度は約8割に達し、一定の成果が確認された。
課題と新たな取り組み
しかし、下校時には部活動などで生徒の帰宅時間が分散し、送迎車の本数不足など運行面の課題も浮き彫りになった。これらの結果を踏まえ、新年度の実証実験では、送迎バスを導入することで、帰宅時間の分散に対応し、保護者の負担軽減を図る。
沿線地域交通検討会議では、路線の存廃に関する結論を急ぐのではなく、まず主要利用者である高校生の利便性向上を段階的に検証する方針を堅持している。路線の未来は、若年層の通学環境をどこまで改善できるかにかかっていると指摘されている。
今後の展望
この実証実験は、地域交通の持続可能性を探る重要な一歩となる。送迎バスの運行を通じて、利用者のニーズに応えたサービス提供が可能かどうかが検証され、その結果が今後の路線運営に反映される見込みだ。群馬県内の交通網整備と地域活性化に向けた取り組みとして、注目が集まっている。



