宇都宮市で全国初の振動・音声付き横断歩道実証実験が実施される
視覚障害者がより安全に道路を歩ける環境を整えるため、栃木県警と内閣府は2026年2月24日、宇都宮市内で横断歩道を渡れることを足元の振動で知らせる設備などの実証実験を行いました。この取り組みは、内閣府が主導する交通安全プロジェクトの一環として実施され、次世代型路面電車(LRT)が整備されている同市が実証実験の場に選ばれました。
振動と音声で信号を伝える先進的な仕組み
実験では、横断歩道の手前に「トラフ」と呼ばれる振動発生装置が埋め込まれています。LRTが通過し、信号が青に変わると、このトラフが揺れ始め、同時に「青になりました」という音声が流れる仕組みです。これにより、視覚障害者は音声と振動の両方から信号の変化を感知し、安全に横断歩道を渡ることができます。
さらに、横断歩道上には点字ブロックが敷設され、白線の間隔も広げられています。白線の間隔を広げることで、車両の通行による摩耗を抑え、長期的な維持管理を容易にすることが目的です。内閣府によると、振動装置、音声案内、点字ブロックの三つを備えた横断歩道は全国で初めての試みであり、先進的な交通安全対策として期待が寄せられています。
デモ体験で視覚障害者から好意的な反応
同日に行われたデモ体験では、宇都宮市在住の76歳の視覚障害者の女性が参加し、実際に横断歩道を渡りました。女性は「音声と振動のおかげで安心して渡ることができました。このような設備が全国に広がってほしいです」と感想を述べ、新たな技術への期待を語りました。
この実証実験は、LRTの導入に伴う都市インフラの整備と、高齢化社会におけるバリアフリー化の推進を背景に実施されています。宇都宮市では、市街地を走るLRTの利便性向上と、すべての市民が安全に移動できる環境づくりを目指しており、今回の実験結果を今後の政策に反映させる方針です。
関係者によれば、実験データを分析し、他の地域への導入可能性も検討していくとのことです。視覚障害者だけでなく、高齢者や子どもなど、幅広い層の交通安全に貢献する技術として、今後の展開が注目されています。



