久留里線廃止へ、JR東日本が代替バス費用20億円を負担 来年3月までに運行開始
JR東日本千葉支社は17日、利用客の減少により2027年4月1日付けで廃止する方針の久留里線の久留里-上総亀山間(9.6キロ、千葉県君津市)について、君津市が運行する代替バスの関連費用として20億円(18年間分)を負担すると発表しました。鉄道廃止による交通網の空白期間を避けるため、2026年3月までにバス運行を開始することを目指しています。
JR東日本が鉄道事業廃止を届け出、代替バスの詳細を明らかに
同支社の三島大輔支社長が17日に記者会見を行い、来月上旬に鉄道事業の廃止を国土交通省に届け出ると表明しました。これまでの君津市との協議や住民説明会での意見を踏まえ、代替バスの路線図案や運行計画が示されました。
バスルートは以下の4系統を計画しています:
- 主要ルートは久留里-上総亀山間の鉄路をなぞる形で設定
- 久留里駅近くの君津青葉高校など18カ所に停留所を設置
- 同区間の鉄道は1日往復8.5本だったが、バスは13本に増便
- 所要時間は20分程度で、久留里線とほぼ同じ
- バス運賃は乗降する停留所を問わず一律200円
地域活性化にも取り組み、JR東日本管内で初の利用客減少による廃止
同支社は市とすでに基本合意しており、20億円の負担に加え、停留所の待合スペースを設置します。久留里駅の東西ロータリーをつなぐ通路や、上総松丘駅周辺に歩道を整備し、地元でのイベント開催など地域活性化にも取り組む方針です。
三島支社長は会見で、「鉄道を愛してくれた地域の方の思いを考えると残念」と話しつつ、「周辺の道路整備が進み、地元の方にとっては(車での)交通利便性が増している。より利便性の高い公共交通モードに転換するのがいいと判断した」と説明しました。
利用客減少による鉄道廃止はJR東日本管内で初めての事例です。三島支社長は過疎化によって同様のケースは今後も起きうるとし、「地元住民も巻き込んで検討会議を立ち上げたやり方は、第三者を交えて議論するという、あるべき姿として非常に良かった」と受け止めました。
住民団体は存続を訴え、JRの決定に懸念を示す
廃止に反対してきた住民団体「久留里線の存続を求める亀山の会」共同代表の鳥海文和さん(72)は、「代替バスも結局、赤字や利用客が少ないなどの理由で“不要論”が湧き起こり、短命に終わるだろう」と危ぶんでいます。
鳥海さんは、「住民の声を聴かない、JRの廃線決定に無慈悲さを覚える。ただ声を上げなければ、止められない。あきらめずに鉄道の存続を訴えていく」と話し、継続的な反対運動を続ける意向を示しました。
久留里線の利用客激減、深刻な赤字状態が背景に
久留里線は木更津(木更津市)-上総亀山(君津市)を結び、全長32.2キロメートルです。自動車の普及に伴い利用客数は減少しており、JR東日本の資料によると、久留里-上総亀山間の1日1キロメートル当たりの利用客数は1987年度に823人だったが、2024年度は76人まで激減しました。
同区間の2024年度収支は1億9900万円の赤字で、100円の収入を得るのに費用が6694円かかるとされ、財政的な持続可能性が深刻な問題となっていました。このデータが廃止決定の大きな要因となっています。
JR東日本と君津市は、地域の交通網を維持しつつ、新たな公共交通形態への移行を図るため、緊密に連携して準備を進めていく方針です。



