天皇ご一家、福島・富岡町を初訪問 津波被害のパトカーを視察
2026年4月7日、天皇、皇后両陛下と長女の愛子さまが福島県富岡町を訪問されました。ご一家が同町を訪れるのは初めてのことです。午前中には、町内にある「とみおかアーカイブ・ミュージアム」を視察し、東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所事故による複合災害の記憶を後世に伝える展示を熱心にご覧になりました。
津波に流されたパトカー「双葉31号車」の前で
ミュージアムでは、住民に避難を呼びかけている最中に津波にのまれてしまったパトカー「双葉31号車」が展示されています。このパトカーには当時、2人の警察官が乗車しており、残念ながらお二人とも犠牲となりました。天皇陛下は、山本育男町長の説明を受けながら、このパトカーが保存されるまでの経緯などについて質問をされました。
皇后さまは、損傷したパトカーの現物を前に、「痛ましいですね。現物なので迫力がありますね」と悲痛な表情で見入られました。そのお言葉には、突然の災害によって奪われた尊い命と、被災地の苦難に対する深いお心遣いがにじみ出ていました。
複合災害からの復興の歩みを学ぶ
富岡町は、原発事故の影響で全町避難を余儀なくされ、現在でも町の面積の約7%が帰還困難区域として残されています。住民の数は震災前の20%に満たない状況が続いています。ミュージアムは2021年に開館し、町の歴史や震災前の「当たり前の日常」が突然奪われたことを伝えるとともに、復興への地道な歩みを記録する施設として重要な役割を果たしています。
ご一家は、企画展を通じて、震災と原発事故が町にもたらした大きな変化と、それに立ち向かう人々の努力について理解を深められました。展示物には、地域の貴重な資料や、避難生活の様子を伝える品々が並び、訪れた人々に深い感慨を与えています。
午後は大熊町と浪江町へ
午後には、引き続き福島県内の被災地視察を続けられ、大熊町と浪江町を訪問される予定です。これらの町も原発事故の影響を大きく受けた地域であり、ご一家の訪問は、被災地への継続的な関心と支援のメッセージとして、地元の方々に勇気を与えるものと期待されています。
今回の訪問を通じて、天皇ご一家は、震災から15年が経過した今もなお続く復興の道のりと、被災地が抱える課題を直に感じ取られました。皇室としての温かいお心遣いが、福島の地に深く刻まれる一日となりました。



