両陛下の被災地訪問、「令和流」の心の交流で悲しみ分かち合う
天皇・皇后両陛下と長女の愛子さまが、東日本大震災から15年を経た被災地を訪問されることが明らかになりました。さらに秋には、熊本地震の被災地も初めて訪れる予定です。広く国民に浸透してきた天皇による被災地訪問の意味や、これからの課題について、象徴天皇制の歩みに詳しい河西秀哉・名古屋大学大学院准教授(歴史学)に話を聞きました。
「忘れない」を体現する皇室の取り組み
天皇による被災地訪問は、当初から手放しで認められていたわけではありません。憲法に明示された天皇の務めではなく、天皇の活動が際限なく拡大することを警戒する立場や、ひざをついて被災者を見舞う姿が権威を損なうという立場からの批判もありました。
しかし、上皇ご夫妻を中心とする皇室の取り組みによって、国民の間に浸透し、現在では否定的な声はほとんど聞かれなくなっています。象徴の務めとして重要だと、国民に理解されているとみていいでしょう。
同じ目線の対話と「忘れられた被災地」への配慮
河西准教授は、天皇の被災地訪問が「形式化」することを懸念する記事が出た日にも、両陛下が被災地を訪れ、心を通わせる姿を指摘します。昭和天皇も、皇太子時代に被災地を訪問した歴史があり、皇室の伝統として続いています。
被災地訪問は、単なる儀礼ではなく、被災者との対話を通じて悲しみを分かち合い、「忘れない」というメッセージを体現する重要な活動です。特に、時間が経過し「忘れられた被災地」と感じられる地域にも、同じ目線で向き合う姿勢が求められています。
今後の課題と皇室の役割
被災地訪問が国民に定着した今、課題は訪問の質をどのように維持・向上させるかです。河西准教授は、皇室が被災者と心を通わせる「令和流」のスタイルを貫くことが重要だと強調します。これは、単に訪問回数を増やすことではなく、被災者の声に耳を傾け、共感を示す姿勢が不可欠です。
また、災害が多発する日本において、皇室の訪問が被災者に与える精神的支援は計り知れません。今後の訪問では、より細やかな配慮と継続的な関心が期待されます。
皇室の被災地訪問は、象徴天皇制の一環として、国民との絆を深める役割を果たしています。両陛下と愛子さまの今後の活動に、多くの注目が集まっています。



