授乳に我慢は必要ですか 母乳のタブー視と母親解放のカギ
授乳に我慢は必要ですか 母乳タブー視と解放のカギ

連載「授乳に我慢は必要ですか」の第3回では、授乳に関する知識の不足と、母乳がタブー視される問題を取り上げる。母乳育児は「母性」と結びつけられ、誤った思い込みが母親を苦しめることがある。正しい情報が届きにくい環境が、出産した母親の悩みを深めている。子育てしやすい社会を実現するには、幅広い層が正確な知識を得ることが必要だ。

大学の授業で見えた現実

5月上旬、東京家政大学で行われた生活経営学の授業。講師の光畑由佳さんは、学生に事前にアンケートした母乳育児のイメージを紹介した。「上の世代が推している」「古い考えの人が母乳の方がよいと強要するイメージ」「全然分からない」といった声が上がった。光畑さんは「今、実際に子育てをしているお母さんのレベルと同じくらいだろう」と話した。

母乳は何歳まで?

授業では「母乳は何歳まで飲むか?」というクイズが出題された。選択肢は「3カ月」「1歳」「3歳」。ほとんどの学生が「1歳」を選んだ。しかし、ユニセフや世界保健機関(WHO)は「2歳まで、もしくはそれ以上の継続」を推奨している。光畑さんが「正解は、いつまででもOK」と伝えると、約100人の学生がいる教室にどよめきが広がった。

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母乳は自然に出るもの?

授乳に関する基礎知識が不足している実態が浮き彫りになった。厚生労働省の事業の一環で、コンサルティング会社キャンサースキャンが2019~20年に行った調査によると、出産するまで授乳の基本を知らない母親が多い。例えば、母乳は乳児との接触で分泌が促進されるが、多くの母親が「自然に出るもの」と思い込み、悩みを深めている。

光畑由佳さんは、母乳育児の正しい知識を広める活動を続けている。彼女は「母乳はタブー視されがちで、母親が自由に授乳できる環境が整っていない」と指摘する。授乳室の不足や、公共の場での授乳に対する偏見が、母親を孤立させる要因となっている。

母親を解放するカギ

授乳に我慢は必要ない。連載では、母乳育児のメリットとデメリットを正しく理解し、母親が自分に合った方法を選べる社会の重要性を訴える。光畑さんは「授乳は母親と子どもの関係を築く大切な時間。周囲の理解と支援が不可欠だ」と強調する。

次回は、授乳に関する政策や支援の現状を詳報する。

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