福島県は、現在開催中の大型観光企画「ふくしまデスティネーションキャンペーン(DC)」に合わせ、県内の宿泊施設において県産米のプロモーションを強化する方針を明らかにした。県の調査によると、県内宿泊施設の9割以上が県産米を提供しているものの、産地を明記している施設は7割に満たず、効果的なPRが課題となっている。このため、県は販売促進物を配布するなどして県産米の魅力を発信し、消費拡大につなげたい考えだ。
調査結果の概要
この取り組みは、県庁で1日に開かれた県米消費拡大推進会議の総会で示された。県はDC開幕を控えた昨年11月から今年1月にかけて、県内の旅館・ホテルを対象に県産米の利用状況や産地表示の実態を初めて調査。186件の回答を得た。
調査結果によると、県産コシヒカリが153件(82.3%)で最も多く、次いで県産ひとめぼれが28件(15.1%)だった。県オリジナル品種「天のつぶ」「福、笑い」「里山のつぶ」などを含めると、176件(94.6%)が県産米を使用していた。
産地表示の課題
しかし、県産米を提供している施設のうち、県産米であることを明記しているのは121件(68.8%)にとどまった。明記していない施設に理由を尋ねたところ、PRの難しさや掲示物を作る手間が課題として挙げられた。
こうした結果を踏まえ、県は本年度、県内宿泊施設で県産米の産地・銘柄の表示を促す取り組みを展開する方針だ。具体的には、コメの銘柄ごとに特徴や産地をまとめた販促物を作成し、各施設に配布する予定。6月まで開催中のDC本番だけでなく、来年に開催される後継企画「アフターDC」でも活用できるよう、詳細を検討している。
消費者のコメ離れへの対策
食生活の変化に加え、米価の高騰も重なり、消費者のコメ離れを食い止める取り組みの重要性はこれまで以上に高まっている。県農産物流通課は「宿泊施設と連携して『コメどころ福島』の認知度を高め、県産米の消費拡大に取り組んでいく」とコメントしている。
また、県は別の調査結果も示し、県内で消費されたコメに占める県産米の割合が昨年度は56.0%で、前年度(66.5%)から大きく減少したことを明らかにした。コメ不足などで備蓄米が出回ったためか、前年度に比べて産地を「不明」とする回答が増えており、県は「県産米が選ばれなくなったわけではない」と分析している。



