はしか感染者が都内で急増、ワクチン接種の重要性を都医師会が強調
麻疹(はしか)の感染者が東京都内で増加傾向にあるとして、東京都医師会は10日の定例記者会見で、ワクチン接種の重要性を改めて強調しました。都内では今年に入り、既に12人の感染者が確認されており、前年同期を大幅に上回るペースで増加しています。
集団免疫の低下が感染拡大の背景に
記者会見で、都医師会の首里京子理事は「免疫がなければ、同じ空間にいるだけで感染が広がる可能性がある」と、麻疹の感染力の強さを指摘しました。近年のワクチン接種率の低下に触れ、「接種率が下がれば集団免疫が低下し、感染の連鎖が起こりやすくなる」と警鐘を鳴らし、積極的な接種を呼びかけました。
都内の感染者数は、過去10年では2019年に最多の124人に達しましたが、新型コロナウイルス感染症の流行期間中は激減し、2021年と2022年はゼロでした。その後、感染者は次第に増加し、昨年は34人の感染が確認されています。今年は3月上旬までに12人と、前年を大幅に上回るペースで増加しており、専門家の間で懸念が高まっています。
麻疹の症状と感染経路について
厚生労働省によると、麻疹は約10日間の潜伏期間を経て、発熱やせき、鼻水など風邪に似た初期症状が現れます。その後、39度以上の高熱や全身の発疹が出現することが特徴です。感染経路は空気感染、飛沫感染、接触感染の3つがあり、感染力が非常に強いとされています。麻疹は重症化するケースもあり、感染者1000人に1人が死亡するとされる深刻な感染症です。
ワクチンを接種することで、感染リスクを大幅に低下させることが可能です。しかし、近年の接種率の低下が、集団免疫の低下を招き、感染拡大の一因となっていると見られています。
医療機関での対応と注意喚起
都内では、感染者が大病院などの公共施設で不特定多数と接触した可能性のあるケースが目立っており、東京都は繰り返し注意を呼びかけています。首里理事は「麻疹の疑いがある場合は、他の患者と空間や時間を分けて受診することが必要だ」と述べ、医療機関への事前連絡を強く求めました。
また、若手の医師を中心に、麻疹の患者を診た経験がない医師も増えていることから、初期症状から感染に気づけない場合もあるといいます。このため、少しでも麻疹の疑いがあれば、事前に医療機関に連絡した上で受診することが重要です。
都医師会は、ワクチン接種の徹底と、感染疑い時の適切な受診行動を呼びかけることで、感染拡大の防止を図るとしています。麻疹は予防可能な感染症であり、早期の対応が重症化や死亡リスクを減らす鍵となります。



