室蘭PCB処理事業が終了 解体撤去の詳細工程を説明
北海道室蘭市で18年間にわたり継続されてきた高濃度ポリ塩化ビフェニール(PCB)廃棄物の無害化処理事業が正式に終了したことを受け、市内で3月25日、今後の対応を協議する経済連携会議が開催された。環境省の特殊会社である中間貯蔵・環境安全事業株式会社(JESCO)が、新年度以降に実施する施設の解体撤去に関する詳細なスケジュールを関係者に説明した。
解体撤去の具体的な工程計画
JESCO北海道PCB処理事業所長の渡辺謙二氏によると、新年度からは高濃度PCBを取り扱ってきたプラント設備の解体作業を2026年5月から2027年2月にかけて実施する計画である。さらに、2027年4月から2029年3月の期間には、トランスやコンデンサーなどを処理した設備の解体撤去を順次行う方針を示した。
これらの設備の一部には高濃度PCBが付着しているため、解体後はJESCOが所有する真空超音波洗浄装置を用いて慎重に処理を行う。低濃度PCBに関しては、外部の専門施設での処理が予定されている。建物本体の解体工事については、2028年度に着手し、2033年度まで継続して実施される見通しだ。
後継事業の可能性を調査
環境省は、室蘭市が誘致を希望しているPCB廃棄物処理に代わる後継事業に関する調査結果もこの日公表した。調査では、廃プラスチックや再生可能エネルギー関連資材など、計8種類の再資源化事業について、北海道や室蘭市との親和性を詳細に分析。特に太陽光パネルや風力発電機などの再資源化事業は、長期的な需要が見込まれる可能性が高いと評価された。
PCBとは、かつてトランスやコンデンサーの絶縁油として広く使用されていた毒性の強い油状物質である。1968年に発生した「カネミ油症事件」を契機に製造と使用が禁止され、国内の事業所から排出される高濃度廃棄物の無害化処理は、室蘭市と東京都の施設で今月19日まで継続されていた。
今回の会議では、18年に及ぶ処理事業の終了と、今後数年にわたる解体撤去作業の具体的な工程が明らかになった。同時に、地域の新たな産業創出に向けた後継事業の可能性が示され、室蘭市の環境技術と産業転換への期待が高まっている。



