東京都は2030年度までに、都営住宅約12万戸全てに電気自動車(EV)用充電器を設置する方針を固めたことが、1日分かった。脱炭素社会の実現に向け、電動車普及のインフラ整備を加速する狙いがある。
都営住宅全戸に充電器設置へ
関係者によると、都は都営住宅の全住戸にEV充電器を設置する計画を策定中だ。現在、都営住宅には約1万基の充電器が設置されているが、これを大幅に増やす。新たに設置する充電器は、住戸の駐車場スペースに1基ずつ設けることを基本とする。都は2027年度までに約5万戸、2030年度までに残る約7万戸に設置する目標を掲げている。
背景と課題
東京都は2050年までに二酸化炭素(CO2)排出量を実質ゼロにする目標を掲げている。その達成には、ガソリン車からEVへの移行が不可欠で、充電インフラの整備が急務となっている。都営住宅の居住者からも充電器設置の要望が多く寄せられていた。一方で、費用面や工事の調整など課題も多い。都は補助金制度を活用し、設置費用の一部を負担する方針だ。
都は今後、計画を正式に発表し、2026年度予算案に関連経費を計上する見通し。都営住宅の充電器設置は、民間マンションなどへの波及効果も期待されている。
都の取り組み
東京都は既に、都営住宅の新築時には充電器設置を義務付けるなど、先行した取り組みを進めている。今回の全戸設置計画は、既存住宅も含めた大規模なものとなる。都の担当者は「居住者の利便性向上と環境負荷低減の両立を図りたい」と話している。
EV充電器の設置は、マンション管理組合などで合意形成が難しいケースもあるが、都営住宅では都が主体となって進めるため、スムーズな導入が期待される。また、都は充電器の規格統一や管理システムの整備なども検討している。
今後の展望
この計画により、都営住宅の居住者は自宅でEVを充電できるようになり、利便性が大幅に向上する。また、EV普及の促進にもつながり、東京都の脱炭素目標達成に貢献するとみられる。都は今後、他の公共施設や民間住宅への充電器設置も促進し、充電インフラのネットワーク化を進める方針だ。



