冬眠しないクマが市街地に出現、県が異例の注意報延長で警戒を強化
通常は冬眠しているはずのクマが、市街地周辺で相次いで目撃されており、県は緊急の対応に乗り出しています。県は、最長でも年内までしか発令していなかった「ツキノワグマ出没注意報」を、全県で4月15日まで延長するという異例の措置を取っています。クマの冬季特有の習性を理解しつつ、十分な注意を払うことが重要です。
目撃件数が急増、従来のパターンを覆す動き
クマは山に餌が少なくなる時期に備え、12月ごろまでに栄養を蓄え、山中の穴などで冬眠に入ります。このため、冬場は栄養状態が悪く餌を探し回る「穴持たず」と呼ばれるクマを除き、市街地周辺で見かけることはほとんどありませんでした。しかし、昨年12月には71件の目撃が報告され、今年1月はこれまで最も多かった2023年度の9件を大きく上回る30件に達しています。
県は、これらの目撃されているクマについて、「従来の穴持たずに加えて、市街地近くに生息しているアーバンベアが多いのではないか」と分析しています。アーバンベアとは、生まれてからずっと市街地近くで暮らし、果樹や穀物、家畜の飼料などの味を覚え、餌として常食しているクマを指します。比較的餌には困らないため、冬眠の必要性を感じずに活動しているケースが増えているのです。
アーバンベアの増加と対策の徹底が急務
それでも冬季になれば餌は減少するため、アーバンベアは食べ物があると分かれば執着して近づく傾向があります。クマを引き寄せてしまう生ごみなどを屋外に放置しないことや、飼料がある畜舎や倉庫の戸締まりを厳重にすることが大切です。さらに、アーバンベアは空き家などをねぐらにする場合があり、県内では建物に入り込んだ個体の捕獲や駆除が実施されています。
クマの足跡は指が5本で、4本のタヌキやキツネとは区別がつきます。市町村には、クマが集落に居着いてしまうことを防ぐため、安全を確認しながら空き家などを見回り、足跡を見つけた場合には警察署などに通報するよう求められています。
冬眠明けの早期化と監視体制の強化
山で冬眠に入ったクマはこれまで、おおむね4月中旬ごろから外に出てくることが多かったのですが、今年は状況が異なります。会津地方では例年より早めの11月ごろに冬眠に入ったクマが確認されており、今年の目覚めは3月中、下旬ごろに前倒しになることが見込まれています。
県は、出没が懸念される地域を対象に、ドローンやセンサーカメラを使って監視を強化し、クマを確認した場合にはメールなどで関係者らに知らせる仕組みを導入しています。仕事やレジャーで山に入る時には、自治体の広報やホームページなどを通じて、冬眠明けのクマの活動情報を把握しておくことが欠かせません。



