北海道の日本海沿岸で行われるニシン漁(1~5月)がほぼ終了した。なかにし礼さん作詞の「石狩挽歌」で歌われたように、1950年代に忽然と姿を消したニシンは、30年にわたる関係者の努力で徐々に回復してきた。しかし、今年も昨年に続いて漁獲量が減少しており、再び懸念が広がっている。
市場での声
15日早朝、札幌市中央卸売市場では、日本海沿岸の天塩町、礼文町、留萌市などで水揚げされたニシンの鮮魚が競りにかけられた。市場で仲卸業者に卸売りを行う丸水札幌中央水産の上田浩敏さんは、「一昨年までは水揚げが増えて安心していたが、昨年から減り始め、今年も減少傾向が続いている。道内産が安定しないと、数の子や鮮魚の価格に影響が出て、高値がつく」と懸念を示した。
漁獲量の推移
日本海でのニシン漁は、産卵のために沿岸にやってくる1月から5月にかけて行われ、漁場は檜山地方や積丹半島周辺から石狩湾、留萌、稚内へと北上する。北海道がまとめた漁獲状況(速報)によると、4月末までの日本海沿岸の漁獲量は2880トン。このまま推移すれば、1~5月の総漁獲量は昨年の3529トンを下回り、一昨年の7053トンから2年連続で減少することになる。
群来の出現
ニシンの大群が押し寄せると、海面が白く染まる「群来(くき)」と呼ばれる現象が発生することがある。これはメスの産卵時にオスが白子(精子)を放出することで起こり、大漁の前兆とされる。小樽市漁協で卸売市場を担当する石山雅一次長によると、今年も群来は確認されたが、群れの規模は小さく、大きなものではなかったという。
北海道日本海沿岸のニシン資源は、かつての豊かな漁場を復活させるべく、長年にわたり資源管理や漁獲制限などの取り組みが続けられてきた。しかし、近年の減少傾向は、環境変動や資源変動の影響が指摘されており、今後の回復が待たれる。関係者は、安定した漁獲を確保するため、さらなる対策が必要だと訴えている。



