8がけ社会:ごみ捨て場集約で持続可能な収集体制へ、室蘭市の挑戦
8がけ社会:ごみ捨て場集約で持続可能な収集体制へ

連載「8がけ社会 ごみのゆくえ」第2回。人口減少が進む中、ごみ処理の持続可能性が問われている。北海道室蘭市では、昨年から市役所周辺の3町内会でごみ捨て場を集約する実証実験が始まった。従来は「軒先収集」が主流で、約300カ所あった収集場所を約70カ所に減らし、作業員の負担軽減とコスト削減効果を検証している。

深刻な人手不足と高齢化

室蘭市はかつて北海道有数の工業都市として栄え、1970年代のピーク時には16万人の人口を誇ったが、現在は7万人にまで減少。税収は減る一方で、市民1人当たりのごみ処理負担額は増加の一途をたどっている。さらに、ごみ収集作業員の高齢化が進み、平均年齢は46歳、60代の作業員も少なくない。軒先収集では、作業員が収集車に1日200回も乗り降りするなど、体力的に過酷な労働が続いている。

ごみ収集を担う道南公益清掃事業協同組合の斉藤崇さん(76)は、「きつい、きたない、危険の3Kと言われる仕事で若い人が集まらず、そもそも働く人自体が不足している」と危機感を募らせる。数年前には土曜日と一部祝日の収集を廃止したが、人繰りの厳しさは変わらず、高校卒業後の就職者も減少している。

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集約による業務効率化

こうした状況を打開するため、室蘭市はごみ捨て場の集約に踏み切った。集約により、作業員の移動距離や収集時間が短縮され、負担軽減が期待される。また、収集車両の燃料費や維持費などのコスト削減にもつながる。市はこの実証実験の結果を踏まえ、全市的な展開を検討する方針だ。

しかし、住民にとってはごみ捨て場までの距離が長くなるため、特に高齢者や身体の不自由な人にとっては負担が増える可能性もある。市は、集約場所の選定にあたっては、住民の意見を聞きながら、誰もが利用しやすい環境を整える必要があるとしている。

持続可能なごみ処理を目指して

人口減少社会では、ごみ処理を含む公共サービスの効率化が不可避だ。室蘭市の取り組みは、他の自治体にも波及する可能性がある。専門家は「ごみ収集体制の見直しは、単なるコスト削減ではなく、将来にわたってサービスを維持するための戦略的な選択である」と指摘する。

この連載では、各地の事例を通じて、持続可能なごみ処理のあり方を探る。次回は、住民参加型のごみ減量策について報告する。

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