愛知の桜を脅かす外来カミキリムシ 名古屋市が4300万円の緊急対策予算を計上
愛知県名古屋市内で、サクラなどの樹木を枯死させる特定外来生物「クビアカツヤカミキリ」の被害が深刻化している。市は2026年度一般会計当初予算案に、被害樹木への薬剤注入や伐採費用として4300万円を計上し、緊急対策に乗り出した。市の担当者は「サクラの名所を守るためにも、対策は待ったなしの状況だ」と危機感を強めている。
中国原産の外来昆虫が16都府県に拡散 愛知でも被害が急増
クビアカツヤカミキリは、中国など東アジアを原産地とする外来昆虫だ。サクラやウメ、モモなどバラ科の樹木に幼虫が侵入し、内部を食い荒らすことで、枝の折損や倒木の危険性が高まる。国内には外国からの貨物に紛れ込んで侵入したと推定され、2012年に愛知県南西部で初めて被害が確認された。成虫は最長で2キロも移動可能なため拡散しやすく、現在は愛知を含む16都府県に生息範囲が広がっている。
名古屋市内の被害は435本に サクラの名所も脅威にさらされる
名古屋市緑地維持課によると、市内では2019年度に市南西部で48本のサクラなどに幼虫による食害が発見された。その後、被害範囲は徐々に拡大し、白鳥庭園(熱田区)や山崎川四季の道(瑞穂区)といったサクラの名所にも及んでいる。2024年度に確認された被害樹木は計435本に上り、昨年11月には東山動植物園(千種区)のサクラでも被害が確認された。
成虫の特徴と被害の目印「フラス」 早期発見が拡大防止の鍵
成虫は体長2~4センチで、樹皮の割れ目などに約500個の卵を一度に産み付ける。幼虫が樹木内部に入り込むと、木くずとふんが混ざったオレンジ色の「フラス」が根元に落ち、これが被害の目印となる。市は薬剤注入や伐採による対策を急ぐが、調査対象は街路樹や公園内の樹木に限られ、民家や私有地の樹木は十分に把握できていない状況だ。
市民への協力呼びかけ 「フラス発見時はすぐに連絡を」
同課の逵勝司課長は「被害を防ぐためには継続的な監視と素早い対応が何よりも重要だ。フラスを見つけたら、すぐに連絡してほしい」と市民に協力を求めている。問い合わせ先はなごや生物多様性センター(052-831-8104)となっている。名古屋市は、貴重な桜の景観を守るため、官民一体となった対策の強化を図っている。



