長野県、クマ捕獲に報奨金導入 新年度から1頭8000円でハンター支援
長野県、クマ捕獲に報奨金導入 1頭8000円で支援 (12.03.2026)

長野県がクマ捕獲に報奨金制度を新設 1頭8000円でハンターを支援

長野県は、2026年度から新たにクマの捕獲に対する報奨金制度を導入することを決定した。対象となるのは猟友会員らで、捕獲したクマ1頭につき8000円を支給する。この措置は、昨年全国的に多発したクマの出没や人身被害を受けた対応であり、捕獲態勢の強化を図るとともに、減少傾向にあるハンターのモチベーション維持にも役立てる狙いがある。

クマの目撃件数が高水準 昨年は例年より増加傾向

県森林づくり推進課によると、今年度の県内におけるクマの目撃件数は、速報値で1317件に上っている。人身被害も11件発生し、16人が影響を受けた。特に昨年は、通常なら目撃が減少する10月から12月にかけても件数が減らず、3か月間の目撃件数は前年同期比で311件増の435件を記録した。こうした状況から、県は迅速な対策が必要と判断した。

報奨金は国の交付金を活用 予算約2億4000万円を計上

県が支給する報奨金は、国の交付金を活用し、新年度予算案に約2億4000万円を計上している。支給額は交付金の規定に基づく上限額を設定した。これまで報奨金の対象はシカやイノシシ、サルなどに限られており、クマは保護の観点から外れていたが、今回初めて加わることとなった。

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自治体間でばらつく報奨金制度 安曇野市は高額支給も

クマの捕獲に対する報奨金の有無やあり方については、自治体ごとに大きな差がある。例えば、安曇野市では猟友会と委託契約を結び、クマを1頭捕獲すると9万1600円を支払う制度を運用している。一方、県が昨年実施したアンケートでは、独自の報奨金制度を設けていない自治体も存在することが明らかになった。

狩猟免許所持者が減少 ハンターの負担軽減を期待

県内の狩猟免許所持者数は、2024年度に延べ6772人で、統計を取り始めた2007年度の9758人から約3割減少している。このため、県は報奨金の支給により、ガソリン代などの活動費用負担が軽減され、捕獲態勢の維持につながることを期待している。

現場からは評価と課題の声 金額不足や無駄足への懸念も

県猟友会の佐藤繁・常務理事兼事務局長は、今回の県の取り組みを「一歩前進」と評価し、他自治体への波及効果にも期待を示した。しかし、現場ではガソリン代などの負担が重く、「金額が足りない」という声も上がっている。佐藤さんは、「現地まで行っても捕獲できず無駄足になるケースもあり、報奨金制度だけではカバーしきれない部分がある。そうした場合への支援も検討してほしい」と述べ、さらなる対策の必要性を訴えている。

長野県の新制度は、クマ被害の拡大防止とハンターの支援を両立させ、持続可能な捕獲体制の構築を目指す試みとして注目される。今後、他自治体の動向や効果検証が待たれるところだ。

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