東日本大震災15年 秩父の放射能汚染記録を1冊に 小鹿野で記念展「原発再稼働、今こそ関心を」
東日本大震災15年 秩父の放射能汚染記録を1冊に (06.03.2026)

東日本大震災15年を機に、秩父の放射能汚染記録が1冊の本に

福島第1原発事故から15年を迎える中、埼玉県の秩父地域で活動を続けてきた二つの民間放射能測定所が、これまでの測定データをまとめた本を自費出版します。この取り組みは、原発の危険性について改めて考えるきっかけを提供することを目的としています。

測定所の活動を記録した本が完成

本のタイトルは「福島第1原発事故による秩父地域の放射能汚染」です。小鹿野町で「私達の未来測定所」を運営する画家の田島昭泉さん(68歳)と、秩父市で「みんなの測定所in秩父」を設立した元高校教諭の関根一昭さんが共同で完成させました。

両測定所は、食品加工業者や子育て中の母親たちの不安の声をきっかけに設立されました。2012年1月から昨年末にかけて、米やタケノコ、茶葉、野菜などの食品全般、野生のイノシシや鹿の肉、軒下の土や路上の土、空気清浄機のフィルターなど、約4千件のサンプルを測定してきました。

測定データから見える汚染の実態

本に掲載されたデータによると、国が定める事故後の食品基準値である1キロ当たり100ベクレルを超える放射性セシウムが検出されたのは、事故から間もない2012年に集中していました。特にセシウムを吸収しやすいキノコ類などは、2013年から2014年まで危険な値が検出され続けました。

さらに、まきストーブの灰や、標高の高い公園の駐車場の黒い粉など、極めて高い数値が検出されたケースもあったと報告されています。この影響により、食品関連の業者の中には廃業を余儀なくされたり、出荷を数年間見合わせたりする事例も発生しました。

原発再稼働への警鐘を鳴らす

田島さんは「原発から約200キロも離れた秩父でもこれだけの影響があったことを忘れてはならない」と強調します。「私達の未来測定所」では、現在も測定の依頼を受け付けており、事故を起こした東京電力が柏崎刈羽原発を再稼働する動きがある今こそ、多くの人に関心を持ってほしいと訴えています。

記念展の開催と本の詳細

本はA4判オールカラーで150ページ、100部を用意し、価格は千円(税込み)です。出版を記念して、「私達の未来測定所」(小鹿野町下小鹿野)では、3月10日から15日まで午前10時から午後4時まで、測定資料などの展示会を開催します。問い合わせは田島さん(電話0494-75-3918)まで。

この活動は、東日本大震災と原発事故の記憶を風化させず、安全な未来を築くための重要な一歩として注目されています。