全国の下水道管老朽化、748キロが「要対策」 緊急度1は201キロに上る
下水道管老朽化、748キロが要対策 緊急度1は201キロ

全国の下水道管老朽化問題、748キロが対策を要する状態に

国土交通省は4月21日、全国の自治体に対して実施を要請した下水道管の特別重点調査の結果を公表した。それによると、腐食や損傷が激しく、早急な対策が必要な管路が、全国47都道府県で合計748キロに達していることが明らかになった。この数値は、調査結果が判明した下水道管の総延長の約16%に相当し、一部では道路陥没を引き起こす危険性も指摘されている。

緊急度1は201キロ、大阪・神奈川・埼玉・愛知が上位

特に深刻なのは、1年以内の対応が不可欠と判定された「緊急度1」の区間で、その総延長は201キロに上る。山梨県を除く46都道府県で確認されており、都道府県別では大阪府の21.55キロが最長で、神奈川県20.31キロ埼玉県15.49キロ愛知県15.05キロと続いた。また、応急措置を施した上で5年以内に対応すべき「緊急度2」の区間は、全ての都道府県で合計547キロに及んでいる。

調査対象となったのは、全国の下水道管総延長約50万キロのうち、直径2メートル以上で設置から30年以上経過した5332キロ。各自治体はドローンによる空撮、目視点検、打音検査などの手法を用いて詳細な調査を実施した。今年2月末時点で、4692キロ分の調査が完了しているが、未判定の区間は依然として600キロ以上残されている。

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中部地方では愛知県豊橋市が最長、地中空洞も96カ所発見

中部地方9県に焦点を当てると、対策が必要な区間が最も長かったのは愛知県豊橋市の14.94キロであった。次いで名古屋市の10.37キロ三重県四日市市の6.38キロと続き、大都市圏を中心に老朽化が顕著となっている。さらに、対応が必要な下水道管の周辺地中では、96カ所の空洞が確認された。これらの空洞の多くは地表から1~2メートルという浅い位置に存在しており、既に全ての箇所で修繕作業が完了している。

国土交通省の担当者は「748キロという数字は決して小さくない」と述べ、管路の改修が喫緊の課題であることを強調した。下水道管を管理する383の自治体・団体に対しては早急な対応を求めているが、現場では人手不足や予算制約といった課題が山積している状況だ。

背景には八潮市の事故、法改正案も提出

今回の全国調査は、埼玉県八潮市で2025年1月に発生した道路陥没事故を受けて実施されたもの。国交省は昨年9月に中間報告を公表し、腐食しやすい環境にある区間や過去に陥没事故が起きた約800キロを優先的に調査。その結果、5年以内の対策が必要な管路が297キロあることを明らかにしていた。

政府はこうした状況を踏まえ、老朽化した下水道管の点検強化を盛り込んだ下水道法改正案を、現在開催中の国会に提出している。インフラの維持管理を巡る国家的な課題として、制度面からのアプローチも進められている。

調査は今後も継続され、未判定区間の速やかな報告が各自治体に求められている。全国的な下水道ネットワークの安全性確保に向け、官民一体となった取り組みが急務となっている。

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