愛知・木曽川唯一の渡し船「中野の渡し」惜別のイベント 250年の歴史に幕、地元住民ら感謝の声
木曽川唯一の渡し船「中野の渡し」惜別イベント 250年の歴史に幕 (14.03.2026)

愛知・木曽川唯一の渡し船「中野の渡し」が運航終了 250年の歴史に惜別の声

愛知県一宮市の木曽川で唯一の渡し船として親しまれてきた「県営西中野渡船(通称・中野の渡し)」が、2026年3月25日をもって運航を終了する。これに先立ち、3月14日には地元住民らが運航終了を惜しむイベントが一宮市西中野の渡船場で開催され、多くの人々が長きにわたる歴史に別れを告げた。

250年以上続いた伝統の交通手段

中野の渡しは、約250年以上前から続くとされる歴史ある渡船で、愛知県一宮市と岐阜県羽島市を木曽川を挟んで結んでいる。片道約7分という短時間で対岸に渡ることができ、かつては通勤や買い物など日常生活に欠かせない交通手段として活用されてきた。

しかし、鉄道や自動車の普及が進むにつれて利用者は次第に減少。近年では年間の利用者数が約2,000人まで落ち込み、存続が困難な状況となっていた。このため、愛知県は運航終了を決定し、3月25日をもってその長い歴史に幕を下ろすことになった。

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地元住民らが感謝のイベントを開催

運航終了を前に、地元住民らで構成される「中野の渡し保存を求める会」が14日に惜別イベントを主催した。式典では、同会の加藤金吾会長(73)らが挨拶を行い、これまで多くの人々を運んできた渡し船への感謝の意を表明。船頭3人に対して花束が贈呈され、「中野の渡船保存を求める宣言」も発表された。

午前中には100人を超える人々が舟に乗船し、渡し船との別れを偲んだ。渡船場周辺ではポップコーンやみたらし団子を販売する模擬店も出店され、地元の尾西第二中学校の生徒たちもイベントの手伝いに参加するなど、地域一体となった賑わいを見せた。

午後は強風の影響で運航が休止となったものの、乗船を希望する人々が次々と訪れ、最後の機会を求める姿が印象的だった。

「地元の誇り」 関係者らの惜しむ声

加藤会長は「渡船は地元の誇りです。今後もこの伝統と風景を何とか残していけたら」と述べ、市の今後の対応に期待を寄せた。一方、船頭の浦田朗さん(64)は「スーッと進む感じが心地よく、御嶽山と伊吹山が美しく見える渡船です。なくなるのは本当に寂しい」と、運航終了への寂しさを語った。

中野の渡しは乗船無料で運航されており、月曜と木曜が休航日となっていた。運航時間は午前8時半から11時半、午後0時半から2時半、3時半から4時半までで、終了の30分前までに乗船する必要があった。最近では乗船希望者が増加し、土日や祝日には乗れない場合もあったという。また、強風などの悪天候時には運休となることもあった。

250年以上にわたって地域の生活を支えてきた中野の渡しは、3月25日の運航終了をもってその役目を終える。地元住民や利用者からは、歴史的な交通手段の消失を惜しむ声が多く聞かれており、伝統の継承と風景の保存への願いが強く感じられる。

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