春先からクマの出没が急増していることを受け、秋田県内の自治体が子どもの安全を守るため、さまざまな被害防止対策を早急に実施している。外遊びができない子どもたちのために公共施設を無料で開放したり、学校周辺で爆竹を鳴らしてクマを追い払ったりする取り組みが始まっている。
公共施設の無料開放、前倒しで実施
仙北市では、4月にクマの出没が相次いだことを受け、5月から市内の体育館や市民会館のロビーなどを週末に無料で開放している。対象は小学生以下の子どもで、事前申し込みは不要だ。昨秋の大量出没時にも同様の措置を取ったが、今年は前倒しで開放を開始した。市の担当者は「この出没の多さでは、クマが冬眠する季節まで対策を続けなければならないかもしれない」と懸念を示す。
先月31日、仙北市田沢湖神代にある神代市民体育館を訪れた30代の会社員女性は、小学5年の長女と一緒にソフトテニスの練習を兼ねて遊びに来たといい、「クマの心配をせずに子どもが自由に体を動かせる場所があるのは助かる。無料で広い空間を使えるのもありがたい」と話した。
近隣の大仙市や美郷町も5月から、週末に屋内施設を無料で利用できるようにしている。いずれも春先のクマ出没増加を受けた措置で、秋の本格的な出没シーズンを待たずに無料開放を始めた。
クマ鈴やブザーの貸し出し
美郷町ではさらに、町内の全児童に登下校時に使えるクマ鈴を配布したほか、スポーツ少年団や部活動など屋外で活動する子どもたちのために、クラブや学校にクマよけのブザーを貸し出している。このブザーはボタンを押すと、爆竹や犬のほえ声が大音量で響く仕組みだ。
美郷町総務課の武田浩之課長は「昨年は外での練習そのものができなかった子どもたちもいる。少しでも安全に活動できるよう対策を進めたい」と意気込みを語る。
警備会社による巡回と爆竹での追い払い
県教育委員会は6月1日、警備会社に委託し、学校周辺での巡回や爆竹によるクマの追い払いを開始した。県教委保健体育課によると、クマの目撃件数が例年より増えており、今後も増加が予想されることから、昨年度に続いての実施を決めた。実施時間は登下校時間帯の午前6時~8時と午後3時~5時だ。
昨年度は全県が対象だったが、今年度は目撃があった地域の学校を重点的に巡回し、出没状況によって対象校を決定する。5日までの対象校は、秋田市や由利本荘市、大館市など10市の小中学校、高校、特別支援学校の計31校となっている。
このうち、住宅街やゴルフ場での目撃が相次ぐ秋田市御所野地区の御所野小学校周辺では、委託を受けた「ALSOK秋田」の社員が午前6時頃から巡回し、学校の正面や校庭の近くで爆竹を鳴らしていた。期間は7月3日までで、出没状況によって延長の可能性もある。同課の担当者は「朝早くから爆竹を鳴らして迷惑をかけるが、子どもたちや住民の安全のためにご理解いただきたい」と理解を求めた。



