エアコンを使う季節が到来した。製品本体に起因しない事故にも注意が必要だ。室外機周辺に置かれた可燃物から発火し、室外機に延焼する事故が発生している。製品評価技術基盤機構(NITE)に安全確認のポイントを聞いた。
過去5年間でエアコン関連事故345件
2021~25年度の5年間で、メーカーや消防からNITEに通知されたエアコン関連事故は345件。月別では7月と8月がともに50件を超え、夏季に集中している。
約6割が製品本体に起因しない事故
調査が終了した252件の原因を分析した結果、約6割が製品本体(室外機・室内機)に起因しない事故だった。最も多かったのは外部からの延焼(疑いを含む)で96件発生した。
具体的な事例では、エアコン未使用時に室外機にシートを掛け、飛散防止のために水入りペットボトル2本を載せていたところ、火災が発生。ペットボトルが虫眼鏡の役割を果たし、太陽光が収斂してシートに着火、室外機に燃え移ったとみられる。
室外機周辺の危険物
室外機内部のコンプレッサーには冷媒ガスや潤滑油が使われており、火災時には激しく燃える危険性がある。NITEは水入りペットボトルや段ボール、灰皿などの可燃物を室外機周辺に置かないよう注意喚起している。段ボールはネズミや虫のすみかとなり、配線をかじったり電源基板に接触してショート・発火する恐れがある。
電源コードの継ぎ足しも危険
室内でも事故が発生。コンセント形状の不一致や長さ不足を理由に電源コードを加工・継ぎ足すと、接続部で接触不良が生じ異常発熱し、発火・周辺への延焼リスクがある。エアコンの取り付けや修理は専門知識・資格を持つ業者に依頼すべきだ。
試運転時の確認ポイント
NITEは試運転時に以下の確認を推奨する。設定可能な最低温度で冷房運転を10分間行い冷風が出るか確認。さらに30分運転し、室内機からの水漏れ、異音・異臭、エラー表示や意図しない電源オフがないかチェック。異常があれば販売店やメーカーに相談する。
省エネ基準引き上げと補助金
家庭用エアコンは2027年4月から省エネ基準が引き上げられる。新基準対応製品は価格上昇が見込まれるが、電気代節約効果が期待される。資源エネルギー庁の試算では、6畳用(2.2kW)で年間約2760円、14畳用(4.0kW)で約1万2600円の削減効果。自治体によっては省エネ性能の高いエアコン購入に補助金を提供しているため、購入前に確認を推奨する。



