クマ目撃情報を色分け、遭遇回避へ県マップ刷新
静岡県内では今春、ツキノワグマの目撃件数が急増している。4月から5月28日までの集計で、昨年同期比3倍の33件に達し、過去最多を記録した。この状況を受け、県は今年度、ツキノワグマの目撃場所を示す「クマ出没マップ」の仕様を刷新し、情報の精度を高めた。県自然保護課は「クマに出会わないことが最も重要な対策」として、マップの積極的な活用を呼びかけている。
目撃件数の推移と現状
県のまとめによると、クマの目撃件数は2023年度に121件を記録して以降、増加の一途をたどり、昨年度は200件に上った。今年度は4月に8件、5月(28日時点)に25件が確認された。5月から7月はクマの繁殖期や子グマの親離れの時期に当たり、例年目撃件数が増加する傾向にある。これまでのところ、人的被害は報告されていない。
市町別では、裾野市が19件と最も多く、次いで富士宮市5件、浜松市4件、静岡市3件、富士市と川根本町が各1件となっている。
裾野市での対応
5月22日には、裾野市須山地区の大野路交差点付近で、運転手から「クマを目撃した」との通報が市に寄せられた。現場は市街地から約400メートルの距離にあり、その後も周辺で目撃が相次いだ。同日、裾野市は村田悠市長を本部長とする「クマ出没対策本部」を設置し、パトロールの強化など対策を進めている。
刷新されたクマ出没マップ
県は目撃件数が100件を超えた2023年度から、県ホームページで「クマ出没マップ」を公開している。マップ上には県が集約した目撃情報がクマのアイコンで表示される。今年度からは、クマである可能性が高い目撃情報を赤色、見間違いの可能性があるものを灰色で色分けし、より精度の高い情報を提供している。
マップを利用することで、自分の現在地と出没場所との距離を把握できる。県自然保護課の担当者は「観光や学校の野外活動でハイキングに出かける前に、事前の情報収集のために活用してほしい」と述べている。
注意点と遭遇時の対処法
クマは南アルプスや富士山周辺に生息しており、5~7月や冬前の秋に餌を求めて活動が活発化する。そのため、低山地域でのハイキングや山菜採りでも注意が必要だ。同課の担当者は「身近な山に入る場合も、早朝や夜間を避け、熊鈴など音を鳴らすことが重要」と注意を促す。
県ホームページでは、万が一クマに遭遇した場合の対処法として、「刺激しないよう背中を見せずに後ずさりしながら離れる」ことを紹介している。担当者は「人もクマもパニックにならないようにするのが基本だ」と説明している。



