愛媛県立今治病院の新築移転工事をめぐり、入札参加予定だった全事業者が辞退した問題で、中村時広知事は28日の定例記者会見において、再入札を実施する考えを明らかにした。その一方で、再入札の具体的な時期については「世界情勢の安定が重要な要素」と述べるにとどめ、明言を避けた。
事業者辞退の背景
中村知事は、事業者から辞退の理由として「直近の設備工事費などの高騰が当初の想定を大きく上回った」との説明を受けたことを明かした。この背景には、中東情勢の不安定化など国際的な要因が影響していると知事は推察している。
県の対応と今後の見通し
知事は「一日も早い整備に向け、仕様や事業費の見直しを含めて準備を進める」と述べ、再入札に向けた準備を進める方針を示した。その上で、今治病院の新築移転は「地域医療を守るため必要不可欠」と強調した。
県は、新築移転の総事業費を211億円と見込み、入札の準備を進めていた。しかし、開札日であった4月27日に全事業者が辞退したため、入札は中止となった。この結果、当初2030年度上半期としていた開業時期は遅れる見通しである。
地域医療への影響
今治病院は、愛媛県の地域医療を支える重要な拠点の一つである。新築移転計画の遅れは、地域住民の医療アクセスに影響を及ぼす可能性がある。県は、早期の事業再開を目指し、コスト高騰に対応した新たな入札条件の検討を進める方針だ。



