山形県内で山菜採りに山林に入った人がクマに襲われる事故が相次いでいることを受け、吉村美栄子知事は13日、県民に対して事実上の入山自粛を呼びかけた。知事は定例会見で「山菜採りで山に入るのは危険です。できるだけ控えていただきたいというのが正直な私の偽らざる気持ちです」と述べ、強い危機感を示した。
クマの目撃件数が急増
県によると、5月10日時点でのクマの目撃件数は140件に達し、過去最多だった昨年の同時期と比べて1.7倍に増加している。5月に入ってからは、朝日町と上山市で山菜採りに入った男性がクマに襲われ、顔面骨折などの大けがを負った。さらに酒田市では、クマに襲われたとみられる男性の死亡事故も発生している。
入山規制は「悩ましい」
一方で、秋田県や岩手県の一部自治体で実施している入山規制については、吉村知事は「山菜採りを生業としている人もいることから、非常に悩ましい」と述べ、現時点では実施しない意向を示した。その上で、特定の地域でクマの出没や人身被害が続く場合には、入山禁止などの強い措置を検討する考えも明らかにした。
過去のデータも警鐘
県の統計によると、1977年から2025年までの5月から7月に県内で発生したクマによる人身事故35件のうち、25件が山菜採り中の事故だった。山菜採りのシーズンは特に注意が必要で、県は「趣味や自家消費での入山は、正直に申し上げれば、できるだけ控えていただきたい」と訴えている。
人口減少社会の中でクマの出没は「日常」となりつつあり、専門家は収束が見えないと警鐘を鳴らしている。県民には、入山する際の厳重な注意とともに、不要不急の入山を控えるよう呼びかけている。



