福島第1原発事故からの地域再生、風評と風化の課題克服へ
福島原発事故後の復興、風評と風化の壁に挑む

東京電力福島第1原発事故からの地域再生には、避難指示解除の時期が遅かった自治体や帰還困難区域を中心に、なお長い時間を要する見通しだ。風評と風化という二つの大きな課題を乗り越え、着実に復興を遂げることが求められている。

風評被害の実態

福島県は毎年、本県に対するイメージについて全国調査を実施している。2025年の調査結果によると、県産食品の購入や本県への観光訪問について、震災から14年が経過した現在でも、県外の1割強の人が「やや避ける」などの否定的な回答を寄せている。県の担当者は「県内事業者が経済活動において他県にはないハンディキャップを背負っている状況は依然として変わらない」と指摘する。

新たな風評・風化対策

こうした状況を受け、県は風評・風化対策の戦略を見直し、情報発信を強化する方針を打ち出した。県外の人々を「ふくしまファン層」、良い印象を持つ「ポジティブ層」、中間的な「ニュートラル層」、否定的な「ネガティブ層」の四つに分類。復興の現状や産品の魅力を伝えることで、多くの人をより上位の層へ移行させることを目指す。

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連携強化と戦略的情報発信

首都圏でのイベント開催など風評払拭の取り組みは、これまで主に国の交付金を財源に市町村単位で行われてきた。本年度からは県と市町村が連携し、産品や観光資源を組み合わせた方式に切り替えた。県と市町村はイベント参加者のニーズを捉えた戦略的な情報発信を進め、本県に好意的な印象を持つ層の増加につなげたい考えだ。

風化の進行

調査では本県への関心度も把握しており、「関心がある」人の割合は近年約4割で横ばいが続いている。一方、「どちらともいえない」という無関心な人は2023年から3年連続で増加し、3割強に達した。地区別では首都圏が4割弱であるのに対し、北海道や東海、関西では約5割と、遠方ほど関心を失う「風化」が進んでいる傾向が明らかになった。

復興予算確保に向けて

復興関連予算を継続的に確保するには、風化を食い止め国民的な理解を得ることが不可欠だ。県は本年度、県出先機関がある北海道、名古屋、大阪を中心に、これまでの復興支援への感謝を兼ねた物産ブースの出展をイベントなどで重点的に行う方針。本県へのモニターツアー開催も含め、粘り強く対応していく。

ネガティブ層防止の取り組み

無関心な人がネガティブ層に移行するのを防ぐ取り組みも重要だ。県は環境の放射線量が問題ない水準にあることを継続的に情報発信するとともに、新たな風評を発生させないよう、東京電力の廃炉作業を監視しなければならない。

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