東京都狛江市にある「狛江の小さな沖縄資料館」(岩戸北4)が、運営資金を捻出するため季刊誌の発行を開始した。入場無料の私設資料館であり、存続が危ぶまれる中、有料の定期購読を通じて資金確保を図る。
私設資料館の誕生と現状
運営するのは俳優の高山正樹さん(68)。20代の頃から沖縄戦や基地問題に関心を持ち、資料を収集してきた。2022年、沖縄本土復帰50年に合わせて経営する会社の事務所で沖縄の報道写真展を開催。その後、がんの余命宣告を受け、「死ぬまで展示を続けよう」と決意し、収集した大量の資料を公開した。
資料館は沖縄に関する社会問題だけでなく、文学、音楽、食文化など幅広い分野をカバー。展示資料は5000点を超え、来館者からも資料が寄せられるようになった。
存続危機と季刊誌発行
しかし、家賃などの維持費がかさみ、このままでは閉館も避けられない状況に。高山さんは「多くを伝えきれないまま終わりたくない」と、運営費確保の手段として季刊誌の発行を決意した。
季刊誌のタイトルは「あはひ」。古語で「狭間」や「間」を意味する。創刊号のテーマは「資料館とわたし」で、高山さんが資料館を通じて知り合った大学教員、ラジオDJ、沖縄の報道カメラマンなど約20人が寄稿。館内の写真や琉球舞踊、三線の講座案内も掲載されている。A5判、82ページで定価1000円。
今後の計画と目標
季刊誌は年4回発行予定。創刊号のみ冊子で販売し、次号からは月額800円の定期購読者「サポーター」にPDFファイルをメール送信する。不定期でメールマガジン「こまおき通信」も配信。サポーター1000人を目標に掲げる。
高山さんは「資料館には多くの資料だけでなく、幅広い知識や知恵を持つ人々が集まっている。この形でなくても、対話の場として、自分が死んだ後も存続できるようにしたい」と語る。
資料館は不定休で午前10時から午後4時まで開館。詳細は公式ホームページで確認できる。



