老朽下水道管の腐食深刻、全国で748キロ対策必要 国交省調査
老朽下水道管の腐食深刻、全国で748キロ対策必要

国土交通省は、設置から30年以上が経過した大規模な下水道管の状況調査結果を公表した。全国の5332キロの管路のうち、計748キロについて交換や修繕などの対策が必要な状態であることが明らかになった。

福島県内の状況

県内では6市町の計26.861キロで調査を実施。その結果、福島市、郡山市、いわき市、会津若松市の4市で、管路の腐食や損傷が激しく、原則1年以内の対策が必要な「緊急度1」と判定された区間が計約1.2キロ確認された。また、応急措置を施した上で5年以内の対策を要する「緊急度2」は、同じ4市で計約4.7キロに上った。

下水道の重要性と課題

下水道は生活に欠かせないインフラであり、機能停止となれば社会生活に大きな影響を及ぼす。県や市町村は、下水管の更新や修繕などの対応を急がなければならない。

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この調査は、埼玉県八潮市で2024年1月に発生した道路陥没事故を受けて実施された。事故では走行中のトラックが穴に転落し、運転手が死亡。県管理の下水管が硫化水素で腐食したことが原因とみられ、周辺の約120万人が2週間ほど下水道の利用自粛を余儀なくされた。

腐食の原因と耐用年数

国交省によると、今回の調査で腐食や損傷が認められた下水管も、原因の多くが硫化水素によるものだという。一般的にインフラの耐用年数は50年程度とされるが、下水管の場合は内部にたまった硫酸などで腐食が早まる傾向がある。

政府の対応と法改正

政府は先月、老朽下水管の管理強化に向けた下水道法などの改正案を国会に提出した。配管の点検頻度を増やし、腐食の恐れが高い場所は従来の「5年に1回以上」から「3年に1回以上」に改める。

法改正を機に、下水管の異常を早期に把握できる体制を整え、陥没などの事故防止につなげることが求められる。

財政面の課題と対策

異常が認められた下水管の更新や修繕には多額の費用が必要となることも課題だ。自治体の財源が厳しい中、単独での対応は難しい。国は本年度から管路の更新費を補助する事業を開始しており、県や市町村はこうした制度を有効活用し、危険性の高い箇所から優先順位を付けて着実に対応することが重要である。

点検精度の向上

事故の危険性のある下水管を発見するには、点検の精度を高めることも求められる。国や自治体は大学などと連携し、最新の人工知能(AI)やドローンを活用した、より正確で効率的な点検法を模索すべきだ。その成果は、点検を担う業者の人手不足解消や、橋・道路など他のインフラの維持にも役立つと期待される。

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