和紙繊維製品製造「キュアテックス」が破産手続き開始
帝国データバンク東京支社によると、和紙繊維製品を製造していた「キュアテックス」(東京都世田谷区)が、東京地裁から破産手続き開始決定を受けた。15日付。負債は約32億円。
コロナ禍で暗転、売上減少に歯止めかからず
2007年に設立された同社は、温度調節や通気性、抗菌消臭効果など植物由来の優れた性質を利用した和紙繊維を使用し、ストールやハンカチ、寝具やキッチン雑貨など薄手で密度の高い生地などを製造していた。
過去には、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が宇宙飛行士用として同社の和紙繊維靴下を採用。こうした取引実績も強みとなり、2019年9月期の売上高は約11億7100万円だった。
しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響で業績は低迷。2021年9月期の売上高は約8億8000万円にとどまった。新規事業を立ち上げるなど業況の維持に努めたが、2025年9月期の売上高は約1億円と減少に歯止めがかからず、事業の継続を断念した。
同社の和紙繊維製品は、天然素材ならではの機能性が評価され、JAXAとの取引以外にも、高級ストールや寝具など幅広い分野で展開されていた。しかし、コロナ禍による需要減に加え、原材料費の高騰や販路縮小が重なり、経営環境は厳しさを増していた。負債32億円の内訳は、金融機関や取引先への未払い金が中心とみられる。
帝国データバンクは、今後同社の資産査定が進められ、債権者への配当が行われる見通しとしている。和紙繊維という独自技術を持ちながら、市場環境の変化に対応できず、破産に至ったケースとして注目される。



