近年、空から氷が降る「ひょう災」による被害が急増している。2022年以降に発生した4件のひょうで、損害保険各社は2000億円を超える保険金を支払った。ひょうは破損したガラスなどでけが人を出すこともあり、夏場に被害が出やすいことから、専門家は注意を呼びかけている。
台風を上回る保険金支払い
2024年4月16日夜、兵庫県南部にゴルフボール大のひょうが降り注いだ。車のボンネットがでこぼこになり、小学校や幼稚園で屋根や窓が破損した。播磨町危機管理課の担当者は「公共施設だけでも被害は約2.5億円にのぼった。車の被害も相当多かったのではないか」と話す。
日本損害保険協会の調査によると、このひょうによる保険金は約1300億円。このうち496億円を支払ったMS&ADインシュアランスグループの担当者は「ひょうは短時間に広い範囲で降り、車や建物に被害をもたらす。サイズが大きいと屋外駐車の車が多数損傷し、保険金総額が高くなる」と説明する。一方、4カ月後に上陸した台風10号では、MS&ADの支払いは181億円にとどまった。大雨の被害は大きいが、浸水地域は局地的で車の事前避難が可能な場合もあり、ひょうの方が保険金が高額になりがちだという。
注目され始めたひょう災
ひょう災が損保業界で注目されたのは2022年から。同年6月、埼玉県や群馬県などで発生したひょうでは、保険金支払いが数百億円に達した。気象庁のデータでは、近年ひょうの発生頻度が増加しており、気候変動の影響も指摘されている。
専門家は「ひょうは予測が難しく、突然降ることが多い。車は屋根付き駐車場に停め、外出時は建物内に避難するなど、事前の備えが重要」と話す。損保各社は今後もひょう被害の拡大に備え、保険商品の見直しや啓発活動を進める方針だ。



