岩手県防災航空隊長の高田邦生さん(48)は、炎を上げる山を目前に思案した。向こう数日の天気予報は晴れか曇り。次の雨まで、どうしのぐか――。昨年の大船渡の山林火災に続き、今年も各地から集まった消防のヘリコプター部隊を差配するリーダーとして、難しい判断を迫られていた。
休暇中に一報、即座に現場へ
4月22日、高田さんは休暇で盛岡にいた。大槌町小鎚地区の山林火災の一報が入ると、すぐに航空隊の拠点がある花巻に戻り、県の防災ヘリを指揮した。小鎚地区の消火を試みたが、日没に間に合わなかった。前後して、吉里吉里地区の山も燃えているのが見つかった。「これは大規模になる」と直感したという。
応援部隊と連携、消火活動を展開
翌朝、高田さんも現場へ向かった。各地の防災ヘリや自衛隊のヘリが次々に集まり、消防の航空隊は小鎚、自衛隊は吉里吉里と手分けして消火にあたった。地上からの消火なら水が確保できれば絶え間なく放水できるが、上空からはそうはいかない。岩手の防災ヘリの場合、最大1トンほどの水を運べるが、約7秒でまき終えてしまう。
効率改善のための発着場所探し
当初の発着場所は、近いところでも現場から約10キロ離れており、効率が悪かった。水をくんで飛び、戻って給水するインターバルを縮めるため、高田さんは「どこか、いい場所はないか」と模索した。転機は発生から4日目。関係者との調整を経て、より近い場所に臨時の給水拠点を設けることができた。
高田さんは「大規模火災では、いかに効率よく水を運ぶかが鍵。チーム全体の連携と、現場の状況に応じた柔軟な対応が求められる」と語る。雨が降るまで、消火活動は続く。



