自民党の治安・テロ・サイバー犯罪対策調査会は19日、ストーカー対策の強化に向けた新たな提言案を公表した。この案の核心は、ストーカー行為を繰り返す加害者に対して衛星利用測位システム(GPS)端末の装着を義務付けることにある。具体的には、ストーカー規制法に基づく「禁止命令」が発令された加害者にGPS端末を装着させ、被害者に接近した際に自動で通知する仕組みを構築する方針だ。
提言の背景と目的
近年、ストーカー行為による深刻な被害が後を絶たず、既存の法規制では十分な抑止効果が得られていないとの指摘がある。自民党の調査会は、技術を活用した新たな対策が必要と判断し、今回の提言案をまとめた。葉梨康弘会長は取材に対し、「技術的な制約も検討し、ストーカー規制法の改正も含めた対策を急ぐべきだ」と述べ、早期の法制化を目指す考えを示した。
GPS装着の仕組みと課題
提言案では、加害者が禁止命令に違反して被害者の住居や職場などに接近した場合、GPSの位置情報を基に被害者に警告が送られるシステムを想定。これにより、被害者が事前に危険を察知し、回避行動を取ることが可能になると期待される。一方で、加害者の人権保護の観点から、GPS装着がプライバシー侵害や強制処分に当たる可能性も指摘されており、議論を呼ぶことが予想される。
治療・カウンセリングの義務化
提言案には、GPS装着に加えて、警察当局が推奨する加害者向けの治療やカウンセリングの受診を義務付けることも明記された。現状では、これらのプログラムへの参加率が低く、再犯防止効果が限定的であることが問題視されている。義務化により、加害者の根本的な行動修正を促し、ストーカー行為の再発を防ぐ狙いがある。
今後の展望
自民党はこの提言案を基に、関連法の改正作業を進める方針だ。ストーカー規制法の改正には、GPS装着の法的根拠や運用基準の明確化、プライバシー保護とのバランスなど、多くの課題が山積している。調査会は、専門家や被害者団体の意見を聴取しながら、実効性の高い制度設計を目指すとしている。



