ネットで知り合った男に次女を殺害された父、自責の念語る「パソコン買わなければ」
犯罪被害者の遺族が体験を語る「命の大切さを学ぶ教室」が4月9日、福岡県大牟田市の県立ありあけ新世高等学校で開催された。講師を務めたのは、2003年に当時大学2年生だった次女を殺害された熊本市の米村州弘さん(70)。生徒約430人の前で、深い悲しみと自責の念に満ちた体験を語り、命の尊さを訴えた。
県警が実施する命の教育プログラム
この取り組みは、犯罪や交通事故の被害者遺族が語る思いを通じて、命の大切さを学んでもらうことを目的としている。福岡県警察が県内各地の中学校・高等学校で毎年実施しており、米村さんは熊本市の犯罪被害者自助グループ「さくらの会」の代表として活動。九州を中心に年間20回近く講演を行い、若い世代にメッセージを伝え続けている。
インターネットが招いた悲劇
米村さんの次女(当時20歳)は2003年9月、インターネットで知り合った男性(当時49歳)に殺害され、奈良県の山中で遺体が発見された。講演で米村さんは、娘に買い与えたパソコンがこの悲劇のきっかけになったと明かした。
「あのパソコンを買ってあげなければ、娘は加害者と知り合うことはなかった。23年間、娘を殺したのは自分だと考えてしまう。おそらく、死ぬまでそう思いながら生活すると思う」と、深い自責の念にさいなまれている心情を語った。
「生きているだけでみんなを幸せにしている」
米村さんは生徒たちに向け、「あなたたちは生きているだけで、家族や友人を幸せにしている。僕のような苦しみを味わう親を、絶対に作らないでほしい」と強く呼びかけた。さらに、「つらいことがあったら、逃げてもいいから生きていてほしい」と声を震わせながら訴え、会場は静かな緊張感に包まれた。
この講演は、インターネット時代における犯罪の危険性と、命の重みを改めて考える機会となった。米村さんの言葉は、生徒たちの心に深く刻まれることだろう。



