詐欺対策強化へ閣議決定、口座不正譲渡厳罰化と架空名義口座導入で犯罪収益移転防止法改正
詐欺対策強化で閣議決定、口座不正譲渡厳罰化と架空名義口座導入

詐欺被害対策の強化へ、犯罪収益移転防止法改正案が閣議決定

深刻化する詐欺被害への対策を強化するため、政府は3日、犯罪収益移転防止法の改正案を閣議決定しました。この改正案では、資金の受け皿とされる口座の不正譲渡に対する罰則の大幅な強化や、警察官が架空名義の口座を犯罪組織に渡して被害金を回収する新たな手法の導入が柱となっています。政府は今国会での成立を目指しており、改正法は公布から段階的に施行される予定です。

過去最悪の詐欺被害額、匿名・流動型犯罪グループが深刻な課題に

警察庁によりますと、昨年の特殊詐欺と「SNS型投資・ロマンス詐欺」による被害額は、暫定値で約3241億円に達し、過去最悪を記録しました。金融サービスを悪用したマネーロンダリング(資金洗浄)を展開する匿名・流動型犯罪グループ、通称「匿流(トクリュウ)」への対策が大きな課題となっています。これらの犯罪グループは、SNS上で口座の売買を行い、詐欺被害金の移転に利用している実態が明らかになっています。

口座不正譲渡の罰則を大幅に強化、業として行った場合は更に重く

改正案では、口座の不正譲渡に対する罰則を現行の「1年以下の拘禁刑か100万円以下の罰金」から、「3年以下の拘禁刑か500万円以下の罰金」などに大幅に引き上げました。これは、匿流によるSNS上の口座売買を厳罰化で抑止することを目的としています。特に、業として不正譲渡を行った場合には、「5年以下の拘禁刑か1000万円以下の罰金」を科すこととしており、より重い処罰が適用されます。

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「送金バイト」も規制対象に、財産移転の依頼・請負行為を禁止

近年、資金洗浄の手段として利用されてきた「送金バイト」も新たに規制の対象となります。この手法では、口座名義人に報酬を渡して別の口座への送金を代行させることが一般的で、現行法では取り締まりが困難でした。改正案では、正当な理由なく報酬を支払って財産の移転を依頼したり、対価を得て請け負ったりする行為を「2年以下の拘禁刑か300万円以下の罰金」などの罰則付きで禁止しました。

架空名義口座を導入し被害金回収、原則として被害者に返還へ

警察と金融機関が連携して、架空名義の口座を作成し、犯罪組織に渡す新たな手法も導入されます。この口座に入金された被害金を回収し、原則として被害者に返還する仕組みです。回収した資金から残金が出た場合には、犯罪被害者支援の原資などに充てられる予定です。この架空名義口座の導入は、改正法の公布から1年以内に施行される見込みです。

改正法の施行スケジュールと今後の展望

改正法は、罰則の引き上げなど主要な規定が公布から1か月後に施行され、架空名義口座の導入は1年以内に実施されます。政府は、これらの措置を通じて、詐欺犯罪の防止と被害金の回収を強化し、国民の財産を守ることを目指しています。今後の国会審議では、改正案の詳細な内容や実施体制について議論が深まることが期待されます。

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