福島原発事故の刑事裁判記録を永久保存するよう要望 告訴団らが東京地検に申し入れへ
東京電力福島第1原発事故を巡る刑事裁判において、業務上過失致死傷罪で強制起訴された東電旧経営陣の無罪判決が確定したことを受けて、福島原発告訴団と福島原発刑事訴訟支援団は2日、裁判記録を「刑事参考記録」として永久保存するよう、東京地検に要望を申し入れることを明らかにしました。同団体は15日に東京地検を訪問し、正式な要望申出書を提出する予定です。
公判で明らかになった多数の資料と証言
同支援団などによれば、この刑事裁判の公判では、東京電力内部における津波対策の検討状況や、国の地震調査研究推進本部での専門家らの議論状況を示す膨大な資料が取り調べられました。さらに、専門家や東電社員らによる詳細な証言も行われ、事故の背景や経緯が多角的に検証されました。
同支援団などは、これらの訴訟資料について「国を崩壊させかねない事態を引き起こした原発事故に関する実質的な事故調査報告書」と位置づけています。裁判記録の重要性を強調し、全国で重大少年事件の記録が廃棄されていた問題も踏まえて、国として永久に保管するよう改めて要望する姿勢を示しています。
刑事裁判記録の保管制度と永久保存の可能性
刑事裁判記録は、一般的に判決確定後に検察が保管し、所定の保管期間が過ぎると廃棄される仕組みとなっています。しかし、刑事法制や犯罪に関する調査研究において重要な参考資料と判断される場合には、法務大臣が「刑事参考記録」に指定することが可能です。この指定を受ければ、保管期間が満了した後も記録が保存され、国政を揺るがした事件や犯罪史上顕著な事件などが対象となります。
今回の要望は、福島原発事故が日本の社会やエネルギー政策に与えた影響の大きさを考慮し、裁判記録を後世に伝える貴重な資料として残すことを目的としています。同団体は、事故の教訓を未来に活かすためにも、記録の永久保存が不可欠だと訴えています。



