熱海土石流訴訟で現土地所有者が責任を認める、従来の主張と異なる認識を示す
2021年7月に静岡県熱海市伊豆山で発生した大規模な土石流災害をめぐる損害賠償請求訴訟の尋問が、3月25日に静岡地裁沼津支部(前田英子裁判長)で行われました。この訴訟では、遺族や被災者らが、災害の起点となった盛り土周辺の土地の前所有者と現所有者、静岡県、熱海市などを相手に損害賠償を求めています。
現土地所有者が法廷で責任を認める発言
現土地所有者(89歳)が出廷し、土石流で多くの犠牲者が出たことについて、「私に責任があると思っている。反省している」と述べました。この発言は、従来の主張と大きく異なる認識を示すものです。現土地所有者は2011年に前所有者から土地を購入しており、これまで違法な盛り土の存在を知らず、崩落の危険性も認識していなかったと主張していました。
しかし、この日の尋問では、盛り土が崩落する危険性や懸念について、市の担当者らと「しょっちゅう会話していた」と証言しました。さらに、「頑丈な土留めをつけないと、下流への不安は消えないと認識していた」と述べ、危険性を認識していたことを明らかにしました。これにより、従来の主張との矛盾が浮き彫りとなりました。
土石流災害への強い悔恨の念
現土地所有者は、土石流災害について、「私の土地が崩れて罪のない人が亡くなるなんて許せない。私に責任があると思っている」と強い悔恨の念を語りました。この発言は、訴訟の行方に影響を与える可能性が高いと見られています。
市長の尋問は却下される
また、原告側によると、原告側や現土地所有者側が求めていた斉藤栄・熱海市長の尋問について、静岡地裁沼津支部は却下したと報告されています。この決定は、訴訟の証拠調べの範囲をめぐる議論を呼んでいます。
この土石流災害は、2021年7月に発生し、多くの犠牲者と甚大な被害をもたらしました。訴訟は、災害の原因究明と責任の所在を明確にするために続けられており、今後の判決が注目されています。



