鳥取県が全国に先駆けて犯罪被害者支援基金を創設へ
鳥取県は、犯罪被害者やその家族に対する包括的な支援制度を4月から開始するための条例案を県議会に提出しました。この取り組みは、県と19の市町村が連携して基金を設立し、国の制度を補完する形で経済的支援を提供するもので、全国でも先駆けた画期的な試みとなります。
従来の制度の課題と新たな支援の必要性
県によると、重傷や障害を負った被害者、あるいは遺族に対して国は給付金を支給していますが、対象者が限定的であり、支給までに半年以上を要することも少なくありません。実際に被害者からは、「治療費や葬儀費用などが一度に請求され、早期の支援が望まれる」といった声や、「家族全体をサポートする体制が必要」という要望が寄せられていました。
こうした背景を受け、県と各市町村は協議を重ね、「県犯罪被害者等支援基金(仮称)」の創設に合意。多角的な経済支援を通じて、被害者とその家族の生活再建を後押しします。
具体的な支援内容と支給額
条例案に基づく支援は、殺人や傷害、性犯罪などの被害者を対象としています。まず、「緊急支援金」として、死亡した被害者の遺族には100万円、重傷を負った被害者には最大50万円を支給します。さらに、自宅などで被害に遭い、転居や防犯対策を余儀なくされた場合には、身体的被害がなくても最大20万円が支払われます。
罪種を問わず、ストーカー被害などで一時的に生活維持が困難となった人に対しては、「生活維持支援金」として30万円を提供。また、死亡や重度の障害を負った被害者の子どもやきょうだいには、年齢などに応じて「遺児等支援金」を年間最大10万円まで支給する計画です。
賠償金未払いへの対応と基金の規模
死亡や重傷に関わる損害賠償請求訴訟において、加害者が賠償金を支払わないケースも想定されています。時効を回避するため、「再提訴等支援金」を最大33万円まで支援する制度も設けられます。
県と各市町村は、約5000万円の基金を設立し、支援の継続性を確保する方針です。平井伸治知事は、「半月以内の支給を目指すなど、スピード感を持って取り組んでいきたい」と述べており、迅速な対応が期待されます。
この取り組みは、自治体が連携して被害者支援に取り組むモデルケースとして、他地域への波及効果も期待されています。鳥取県の先進的な姿勢が、全国の犯罪被害者支援の充実につながることが望まれます。



