赤坂サウナ火災で過去の閉じ込め事故が判明、改善提案は「熱が逃げる」と拒否か
東京・赤坂の個室サウナ店「SAUNATIGER」で昨年12月に発生した火災事故で、過去にも同店のサウナ室でドアノブが外れ、利用客が一時閉じ込められる事故が起きていたことが捜査関係者への取材で明らかになった。警視庁は、店側が事故を予見できた可能性があるとみて管理体制を詳細に調査している。
昨年12月の火災で夫婦2人が死亡
火災は昨年12月15日正午頃、赤坂の個室サウナ店で発生した。美容室を経営する松田政也さん(当時36歳)と、妻でネイリストの陽子さん(同37歳)の夫婦2人が死亡する痛ましい事故となった。現場のサウナ室では、木製のドアノブが内側と外側の両方で外れており、2人はドアを開けられなかったとみられている。
捜査関係者によると、昨年春には別のサウナ室で内側のドアノブが外れ、利用客が一時的に閉じ込められる事故が発生していた。この時は同伴者が外からドアを開けて無事だったが、同様の危険性が以前から存在していたことが浮き彫りになった。
業者の改善提案に前代表が「熱が逃げる」と拒否か
さらに、店の運営会社が昨年4月頃、施工業者から「押すだけで開くドアに替えた方が安全だ」との改善提案を受けていたことも判明した。警視庁の調べに対し、運営会社の現代表は「実質的なオーナーだった前代表にドアの変更を申し出たが、『熱が逃げるから』という理由で断られた」と証言しているという。
この発言は、安全対策よりもサウナ室内の温度維持を優先した可能性を示唆しており、重大な過失が疑われる状況だ。警視庁は19日、前代表の関係先2か所を業務上過失致死容疑で捜索し、詳細な経緯を解明しようとしている。
管理体制の不備が焦点に
今回の火災事故では、以下の点が特に問題視されている。
- 過去の閉じ込め事故:昨年春に同様のドアノブ外れ事故が発生していたにもかかわらず、適切な対策が講じられなかった。
- 改善提案の拒否:業者から安全なドアへの交換を提案されていたが、「熱が逃げる」という理由で実施されなかった。
- ドアの構造問題:木製ドアノブが簡単に外れる構造的な欠陥が、死亡事故に直結した可能性が高い。
警視庁は、運営会社がこれらの危険性を認識しながらも十分な安全対策を怠った点を重視し、業務上過失致死罪の立証を進めている。サウナ業界全体にも安全管理の徹底を求める声が高まっており、今後の捜査の行方が注目される。



