兵庫県芦屋市は、阪神大震災で被災者の憩いの場となった公衆浴場「市立あしや温泉」(呉川町)を、2027年4月1日付で廃止することを決めた。6月5日に開会する市議会に廃止条例案を提出する。
震災の象徴として親しまれた温泉
同温泉は源泉掛け流しで、1994年11月に市が源泉を掘り当てた。翌年1月に阪神大震災が発生すると、ユニットバスに源泉を入れて仮設浴場として被災者に開放。同年12月には「あしや温泉」として正式に営業を開始した。震災で市内の銭湯が倒壊する中、延べ約11万人の被災者の疲れを癒やす地域の浴場として活躍した。2010年4月には現在の建物に建て替えられた。
赤字経営が続き、廃止を決断
市によると、2017年度以降は赤字経営が続き、昨年度も約1000万円の赤字だった。物価高や人件費の高騰で今後も赤字が見込まれ、利用する市民は推計で年間約900人と、大幅な利用者増加は見込めないという。
施設の維持改修費は、今後41年で4億460万円と見込まれ、市は「赤字が解消される見込みが立たず、このままでは運営は難しいと判断した」と説明。指定管理者との契約期間は今年度末までで、市は今後、プロポーザル方式で「源泉を活用した事業」を行う民間事業者の提案を募る方針だ。



