奈良市教育委員会が設置するいじめの重大事態に関する第三者調査委員会が、委員報酬の低さを理由に奈良弁護士会が弁護士の派遣を見合わせた影響で、長期間にわたり未設置状態となっている問題で、奈良市は1日、委員報酬を増額するための条例改正案を、8日開会の市議会6月定例会に提出すると発表した。
報酬額の見直し
改正案では、第三者調査委員会の委員報酬を30分あたり1万1000円とし、1日あたりの上限を8万8000円に設定する。委員の職種や業務内容にかかわらず一律の報酬額となる。これにより、奈良弁護士会が求めていた時給2万2000円以上の水準に合わせた形となる。
現在の条例では、調査委員会の報酬は会議出席が日額1万4000円、調査業務が日額2万5000円、報告書作成が30分5000円(1日上限8万円)などと定められていた。弁護士会は以前から報酬が低すぎるとして改善を求めていた。
補正予算案も提出
市は条例改正案に合わせて、委員への追加報酬として840万円を盛り込んだ補正予算案も提出する。これにより、現在発生している2件の重大事態について調査委を早期に設置できる見通しとしている。
いじめ防止対策推進法では、重大事態が発生した場合、教育委員会などに調査組織の設置が義務付けられている。奈良市の調査委は、教育、法律、医療などの有識者7人以内で構成される。現在、重大事態と判断されている事案は2件あるが、今年1月に市が委員の推薦を依頼した奈良弁護士会が報酬の低さを理由に派遣を見送ったため、調査委を設置できない状態が続いていた。
市教委は「今回の改正で弁護士会の理解を得られ、速やかに調査委を設置できるよう努めたい」とコメントしている。



