広島東洋カープの本拠地、マツダスタジアム(広島市南区)で知られるプロ野球チームの元選手、羽月隆太郎氏(26)が28日、いわゆる「ゾンビたばこ」として知られる指定薬物エトミデートを使用したことについて、動画投稿アプリ「TikTok」でファンに謝罪する動画を配信した。羽月元選手は有罪判決を受けており、今回の動画で「カープ選手についてですが、私を含め6人が同じ人物から(ゾンビたばこを)購入していた」と明かした。
球団内の昭和的な空気を指摘
羽月元選手は動画の中で、「球団には良くも悪くも昭和的な空気が残っていた」と説明。自身が酒を飲めない体質であるにもかかわらず、飲酒を強要される風潮があったと述べた。具体的には「酔って寝ていたときにライターであぶったフォークを首にあてられたこともあり、いまでもその傷は残っています」と告白。「不器用な私はそうした環境でうまく立ち回ることができず、チームの空気になじめていなかったのかもしれません」と振り返った。その上で、野球を続けられたのは「どんなときも応援し、支えてくださったファンのみなさんの存在があったからです」と言葉を詰まらせながら感謝の意を表した。現在、羽月元選手は宮崎県で生活しているという。
逮捕から判決までの経緯
羽月元選手は1月に広島県警に医薬品医療機器法違反(指定薬物の使用)の疑いで逮捕された。5月15日には同法違反の罪で、拘禁刑1年執行猶予3年(求刑拘禁刑1年)の判決を言い渡された。判決によると、昨年12月16日ごろ、広島市中区の自宅でエトミデートを加熱して気化させ、吸引して使用したとされる。
公判の被告人質問で、羽月元選手は「シーシャ(水たばこ)で違法性はないと言われ、信じていた」と説明。その後、違法性を認識しながらも使い続けた理由について「周囲に同じように吸っているカープの選手がいたので、自分も大丈夫だと思った」と述べた。検察側は冒頭陳述で、羽月元選手が遅くとも昨年4月には知人から勧められてエトミデートを使うようになり、11月ごろにテレビ番組で違法性を認識したが、使用を続けたと指摘。また、昨年3~4月ごろに東京遠征で先輩に紹介された知人とバーに行き、初めてエトミデートを使用したとする供述調書の内容も読み上げられた。
球団の対応と今後の調査
捜査関係者によると、広島県警が羽月元選手を捜査する過程で、ほかの複数の選手の尿検査を実施したが、いずれも陰性だったため捜査を終えたという。広島カープは2月24日、羽月元選手との契約を解除した。鈴木清明球団本部長によると、羽月元選手が1月に逮捕された直後、球団はゾンビたばこに関与している選手がいないか調査したが、該当者はいなかったという。しかし、羽月元選手の公判での発言を受け、球団は改めて全選手に聞き取り調査を実施している。



