茨城県は26日、外国人の不法就労を防止するための独自条例案を、6月に開会する県議会に提案すると発表した。これは都道府県レベルでは全国初の試みとなる。県は、不法就労の防止が経済の健全な発展に寄与し、秩序ある共生社会の実現につながると説明している。
条例案の概要と目的
条例案では、事業者だけでなく県民に対しても、外国人の不法就労を防ぐことや県が実施する防止施策に協力することを「責務」として求めている。ただし、罰則は設けられていない。県は「不法就労活動防止施策を総合的に策定し、実施する責務を有する」と定め、外国人を雇用する事業者への調査を制度化。これまで不法就労が疑われる場合には情報提供という形で警察に連絡していたが、条例案では「通報」することを明記した。
推進月間の設定と連携体制
県民の理解を深めるため、毎年11月を「不法就労防止推進月間」に指定。施策の推進に向けて「市町村、事業者及び県民との連携協力体制を整備する」としている。
パブリックコメントの結果
県は今年2月に条例案の骨子を公表し、パブリックコメントを実施。474人から617件の意見が寄せられた。県民への責務を課すことへの懸念に対しては、「不法就労の防止には県民の皆様の協力が不可欠」として協力を求めた。意見への回答などは県のホームページで公開されている。
背景と今後のスケジュール
県は「不法就労者数が4年連続で全国最多となっていることなどを踏まえ、不法就労防止にかかる取り組みを強化する必要がある」とし、条例制定への理解を求めている。施行は7月1日を目指している。
条例案の主な内容(要旨)
- 条例は、外国人の不法就労防止により県経済の健全な発展に寄与し、秩序ある共生社会の実現を目的とする。
- 県は不法就労活動防止施策を総合的に策定し、実施する責務を有する。
- 事業者は、事業活動を行うに当たり、外国人の不法就労活動の防止のために必要な措置を講ずるよう努めるとともに、県が実施する施策に協力するよう努めなければならない。
- 県民は、外国人の不法就労活動の防止に積極的に努めるとともに、県が実施する施策に協力するよう努めなければならない。
- 事業者及び県民の関心と理解を深め、防止に関する活動が積極的に行われるようにするため、不法就労防止推進月間を毎年11月に設ける。
- 知事は、県内で就労する外国人の雇用状況を調査する。
- 調査事務に従事する職員は、出入国管理法が規定する不法就労を助長したと思われる者がいた場合に、書面や口頭で警察官に通報する。



