東京都品川区で動物愛護団体を運営する47歳の女性代表が、自宅で多数の犬や猫をふん尿や死骸が放置された劣悪な環境で飼育していたとして、警視庁保安課に22日、動物愛護法違反の疑いで逮捕された。
一軒家から39匹保護、骨や死骸も多数
逮捕されたのは、品川区豊町に住む動物愛護団体「保護犬猫の家 ななちゃんのおうち」の代表理事、丸ノ内留実容疑者(47)。同課によると、丸ノ内容疑者の自宅の一軒家からは、犬29匹と猫10匹が保護された。家中にはふん尿が堆積していたほか、犬猫30~100匹分の骨や死骸も見つかり、えさを与えられていなかった犬や猫が死骸を食べていたとみられる。保護された39匹のうち、半数が目などに病気を抱えていたという。
「病気の個体は治療不要」と一部否認
逮捕容疑では、4月27日、劣悪な環境で犬猫39匹を飼育し、病気があるのに病院に連れて行くなどせず、虐待したとされる。丸ノ内容疑者は「ふん尿や死骸を放置した状態で、飼っていたのは間違いない。すぐに病院で治療が必要な個体はこれまでの経験から見て、いなかった」と容疑を一部否認している。
同課によると、団体は飼育ができなくなった犬猫を譲り受け、次の飼い主が見つかるまで世話をする活動をしており、丸ノ内容疑者は「これまでに最大70匹を同時に飼っていた」と供述。同課は多頭飼育が崩壊した経緯について調べている。
足の踏み場もない劣悪環境
捜査関係者によると、丸ノ内容疑者宅はリビングから廊下、台所まで足の踏み場もないほどふん尿が堆積し、空気からは人の健康を害する濃度のアンモニアが検出された。そんな環境が犬猫の体をむしばんでいた。
警視庁の調べに対し、丸ノ内容疑者は「トイレを設置したが何度も破られたり、ひっくり返されたりして、片付けるのがばかばかしくなった」「火葬費用が高く、死骸を放置した」などと動物の命を軽視するような供述をした。近隣住民の60代男性は「10年ほど前からずっと匂いと鳴き声に悩まされている」と話しており、活動直後から適切な飼育ができていなかった可能性もある。
全国で動物虐待事件が増加
警察庁によると、2025年に全国の警察が動物愛護法違反などで摘発した事件は172件で、10年前と比べて約2.8倍に増加。熊本県内の動物愛護団体に所属する女が猫の死体やふん尿を放置し、猫13匹を衰弱死させたとして逮捕されるなど、多頭飼育崩壊とみられる事件が後を絶たない。
丸ノ内容疑者の団体のホームページでは「飼育放棄や虐待、多頭崩壊など劣悪な環境下におかれ行き場を失った犬猫達を保護しています」と活動内容を紹介していた。近隣住民の男性は「犬や猫たちは辛かっただろう。なぜ適切に飼えないのに引き取っていたのか」とあきれた。



