視点・解説:国籍・永住のハードル高い日本、ビザ手数料値上げで懸念される悪循環
2026年5月22日 12時00分 有料記事
外国人が在留資格(ビザ)を更新する際に支払う手数料の値上げなどを盛り込んだ入管法改正案が、今国会で審議されている。成立すれば上限額が現行の10倍に引き上げられる。日本は長期滞在しても永住権や日本国籍の取得が難しいとされ、長期にわたってビザ更新が必要な外国人に衝撃が広がっている。
長期滞在者でも繰り返し更新が必要
大阪に住むフィリピン人のシングルマザーは、日本人との初婚で20年以上前から日本に居住し、現在はフィリピン国籍の子ども4人を育てている。在留資格は「定住者」だが、期間は全員1年しかない。収入が不安定で社会保険料を滞納したことが影響したのか、前回の更新で3年から1年に短縮された。改正法案が通れば、現在一律6千円の更新手数料は、在留期間1年なら3万円程度、3年なら6万円程度になる見込みだ。女性の家族の場合、次の更新で3年が認められれば、手数料は5人で計30万円になりそうだ。「どうしましょう」と不安にさいなまれる。日本で生まれ育った子どものことを考えれば、ひねり出すほかない。
この女性のように、期間限定の就労目的ではなく、長期定住していてもビザの更新を頻繁に繰り返さざるを得ない外国人は少なくない。
世界では6割超が長期滞在者の国籍取得を認める
欧米では、移民でも長く暮らしていれば、その国の国籍を得て「外国人」でなくなるのが一般的だ。経済協力開発機構(OECD)のデータによると、10年以上居住する外国人の国籍取得率は、加盟国平均で6割を超える。一方、日本では在留外国人のうち日本国籍を取得する割合はわずか0.3%にとどまる。
日本語能力だけでは不十分、経済的困窮がさらに負担増に
日本の国籍取得には、日本語の会話能力だけでなく、読み書きや生活に必要な知識が求められる。また、収入が不安定な外国人は、手数料値上げによりさらに経済的負担が増す悪循環に陥る恐れがある。
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