埼玉県川口市の日本クルド文化協会を支援する在日朝鮮人の弁護士、金英功(キムヨンゴン)さん(38)が、インターネット上で差別的な投稿を受けたとして、投稿者に720万円の損害賠償を求める訴訟を起こした。20日、さいたま地裁(真辺朋子裁判長)で第1回口頭弁論が開かれ、金さん側は「マイノリティー(クルド人)を守ろうと立ち上がった、別のマイノリティー(自身)に対する二重の差別だ」と主張した。
訴訟の背景
金さんは、日本クルド文化協会の代理人の一人として、2024年11月にクルド人への差別をあおるデモの禁止を求める仮処分を申し立てた。さいたま地裁は同月、協会の事務所近くでのデモを禁止する決定を下した。この件に関する弁護団の記者会見が報道されると、「朝鮮弁護士『金英功』クルドを擁護し、日本人を排斥」などのタイトルのブログ記事が投稿され、「日本がこういった種族に破壊されていく」との文言や金さんの写真も掲載された。
二重差別の主張
金さんは、この投稿が在日朝鮮人への差別である上、クルド人の支援者を標的にした「関係者差別」にも当たると訴えている。意見陳述では、クルド人を支援する弁護団には日本人も名を連ねていたが、自身に誹謗中傷が集中したと指摘。「理不尽な差別を受けている人々を支援しようと声を上げた者が、自らの出自を理由に激しい攻撃にさらされる社会を放置すれば、誰も支援の声を上げられなくなる」と訴えた。
裁判の行方
この日の口頭弁論に投稿者側は出廷しなかった。原告側の代理人によると、投稿者側は請求の棄却を求めているという。裁判後、金さんらは集会を開き、支援者らに状況を報告した。



