激安スーパーとして知られる「スーパー玉出」を運営するフライフィッシュ(大阪市西成区)から約3900万円を不正に支出させ、損害を与えたとして、大阪府警は20日、元取締役の浅浦哲夫容疑者(76)=大阪府吹田市佐井寺4丁目=ら2人を会社法違反(特別背任)の疑いで逮捕し、発表した。
もう1人の逮捕者は、スーパー玉出に店舗スタッフを派遣していた人材派遣会社の実質経営者だった中西徹容疑者(63)=東大阪市東石切町3丁目。
捜査2課によると、2人は共謀し2021年から22年にかけ、複数回にわたり、店舗スタッフの派遣手数料について、人材派遣会社からフライ社に計約3911万円を水増しした計約7832万円の請求書を発行して振り込ませ、フライ社に損害を与えた疑いがある。
フライ社によると、浅浦容疑者は金融機関での勤務を経て2015年に入社し、2018年に取締役に就任。同社を含む複数のグループ会社の経営管理を担っていた。
2022年末ごろ、経営状況を改善するため社内で財務監査を始めたところ、人材派遣会社の口座を経由して浅浦容疑者の個人会社へ資金移動をしている疑いが発覚した。
浅浦容疑者は不適切な行動を一部認めて謝罪し、2023年5月に取締役を辞任したという。
その後、会社側は浅浦容疑者に対して流出資金の全額返還を求めていたが、「納得がいく説明が得られなかった」として、昨年1月に府警に刑事告訴していた。
「お客様は1円を大切にしている。申し訳ない」
フライ社の湯本正基社長は朝日新聞の取材に「玉出のファンには、1円、10円を大切にしているお客さまが多い中で、多額の金銭が絡む事件が起こったことは大変申し訳ない思いだ。しっかりと店舗の運営を続け、信頼を取り戻していきたい」と話した。
スーパー玉出は1978年に大阪市西成区に1号店を開業し、現在は大阪市内を中心に20店舗を展開している。「玉出」は西成区内の地名で、日雇い労働者の街、あいりん地区(釜ケ崎)にもほど近い。派手な黄色い看板や、きらびやかな電飾が目を引き、商品の「1円セール」が名物だ。



