浜岡原発データ不正で中部電力への信頼低下、静岡県内首長36人アンケート
浜岡原発データ不正で中部電力信頼低下 首長アンケート

社会 浜岡原発のデータ不正以降、中部電力への信頼度はどう変わったのか。静岡県内の首長36人に聞いたアンケート結果が明らかになった。2026年5月13日05時10分更新。

アンケート概要

中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市)の全基停止から2026年5月14日で15年となるのに合わせ、中日新聞は静岡県と県内全35市町の首長、計36人にアンケートを実施した。質問内容は(1)中部電力への信頼度の変化、(2)原子力規制委員会の審査に対する評価。本記事では(1)の結果を報告する。

信頼度の変化

浜岡原発の再稼働審査を巡るデータ不正問題を受け、中部電力への信頼度の変化を尋ねたところ、36人中25人が「下がった」と回答し、中部電力への不信感を如実に示す結果となった。「変わらない」は2人で、「上がった」はゼロ。知事や御前崎市長ら9人は「その他」を選んだ。

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アンケートは4月に書面で実施され、全員から返信があった。信頼度の変化は「上がった」「変わらない」「下がった」「その他」の四択で、記述式で理由も聞いた。

31キロ圏内の首長の反応

広域避難計画の策定が必要な浜岡原発から31キロ圏内の11市町では、9市町の首長が「下がった」を選択。牧之原市の杉本基久雄市長は「原発の安全評価の根本に深刻な影響を与える由々しき事態」と厳しく指摘した。

御前崎市の下村勝市長と焼津市長は「その他」を選んだ。下村市長は「第三者委員会や規制委員会の事実確認と再発防止策の詳細な説明を受ける必要がある」と述べた。鈴木康友知事も「その他」を選択し、「評価は控える」としつつ「(不正は)大変遺憾。丁寧な説明を行うように求めていく」とした。

信頼回復に必要な姿勢

「下がった」と回答した首長には、信頼回復に必要な中部電力の姿勢や行動も質問。菊川市の長谷川寛彦市長は「社内風土の改善などに努めてほしい。市や市民に対し説明責任を果たすことが重要だ」と訴えた。袋井市の大場規之市長は「住民が使用済み核燃料の貯蔵対策について、安全・安心を実感できる対応も必要」と求めた。

浜岡原発の現状

浜岡原発は2011年3月の東日本大震災後、政府の要請を受け、同年5月14日に運転停止。中部電力は2014年に4号機、2015年に3号機の再稼働を申請したが、その後の不正発覚を受け、原子力規制委員会は審査を白紙とする方針を明らかにしており、審査再開のめどは立っていない。

データ不正問題の経緯

中部電力が恣意的にデータを選び、原発の耐震設計の根幹となる「基準地震動」(最大級の揺れの想定)を決めたとされる問題。中部電力は一つの断層につき20通りの揺れのパターンから平均に近い地震動を選んで策定したと説明し、原子力規制委員会は「おおむね妥当」としたが、実際は数千通りの結果から一つ選び、つじつまが合うように残り19通りを寄せ集めるなどしていたという。恣意的なデータの選択は遅くとも2012年ごろに始まり、2018年以降、社内で繰り返し問題視する指摘があったが、2025年2月に外部からの情報提供で問題を把握した規制委員会の指摘を受け、2026年1月5日に不正を公表した。

(曽根智貴)

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